≪ HD登場人物総覧 ≫


 前回よりさらに人数増えてきたっぽいので、雑覧を改定して総覧に。
 今回は情報量をちと多くしてみました。まあわりとどうでもいい情報ですが。
 ちなみに、多少原作と違う数値がありますが、それは成長分として了承ください。
 データ基準は第9幕現在(2001年8月)です。SS開始作品内時間は2000年2月。



相沢(あいざわ) 透夏(とうか) ――第六幕第17話 初出
 相沢祐馬、奈津子夫妻がイギリス在留中に作った娘。祐一の妹となる。生後一年に満たないので、まだどういう娘に育つかはこれから次第。この夫婦の下で育つなら、色々あきらめた方がいいだろう。ご愁傷様である。
 透夏の名前の由来は↓
 生:2000/9/10  11ヶ月 

相沢(あいざわ) 奈津子(なつこ) ――幕間ノ二「London Night」 初出
 祐一の母親。秋子の姉。とある特殊な旧家の長女として生まれ、その境遇のためかかなりの世間知らず。まあ俗世に降りて二十年近く経ってまだこの有様という事は元からダメだったのだろう。無意味に偉そうで変に子供っぽい。喋り方が大時代的。極度の方向音痴で一本道でも平然と迷う。秋子に車を運転させ奈津子にナビゲートをさせると大変面白い事になるので試してみては如何か?
 生まれながら遺伝病的な呪詛を抱えており、そのため常黄泉とも黄泉津比売ともいう呼び方をされる事もある。趣味は漫画読み。外見はほぼ妹の秋子そっくりだが、傍目からして居丈高な感じなので、並ぶとどちらがどちらかすぐに判別可能。
 生:1963/6/4  38歳  T:165 W:50  B:86 W:57 H:85

相沢 祐一(あいざわ ゆういち) ――序幕第8話 初出
 水瀬家の舎弟。名雪の恋人(受)。稀代のトラブルメーカーとして勇名を馳せたのも今は昔。現在はだいぶ行状が落ち着いてきたという。思春期が終わったのか。名雪にくっついて草野球同好会に入る。代打の切り札。
 図太く無神経で都合の悪いことはすぐ忘れるやつと見られがちだが、実際は繊細な面もあり、わりと物事を気にして引き摺る方。
 元が無愛想顔なので最近澄ました顔を作って誤魔化す努力をしてる、目立つ特徴のない風貌の青年。名雪ははかっこいいと力説している。まあ強いて否定するほどでもない。
 生:1982/10/17  18歳  T:173 W:62

相沢(あいざわ) 祐馬(ゆうま) ――幕間ノ二「London Night」 初出
 祐一の父親。現在、イギリスの某大学に客員講師として勤務中。若い頃、欧州方面を荒らしまわった関係で、此方にも知人は多い。敵も多いが。エキセントリックでトリッキーな破天荒としかいいようとない人物。基本的に正体不明。悪いこともだいぶやったらしく、貧乏なくせに不動産や換金の難しい資産をたくさん抱えているらしい。群青色と呼ばれる名うてのトラブルバスター。
 丁度祐一に年輪を加えたようなそのままの感じの中年男性。口許に髭をたくわえている。
 生:1954/4/20  46歳  T:174 W:68

秋坂(あきさか) 優子(ゆうこ) ――第四幕第1話 初出
 神祇省鎮守職地方支部局員。縁故採用で神祇省に就職したのはいいが、やたらと仕事は忙しいわ職場にイイ男はいないわでついに三十路直前まで来てしまい、大焦り。ここ数年彼氏もおらず、殺伐とした日々を送っている。
 生:1972/2/11  29歳  T:166 W:52  B:75 W:59 H:83

安部(あべ) 珠呼(たまこ) ――第九幕二日目E 初出
 帝都は渋谷区青山通りにあると言われるものの、その場所を見つけられる者は稀にしかいないという不思議な喫茶兼BAR『葛葉』の看板娘(マスコット)。見た目12歳くらいの狐目の女の子で、おかっぱにしている柔らかそうな小麦色の髪と白皙の魔性のような凄絶な美貌を持つ美少女。生意気でえらそうな小娘だが、天真爛漫な憎めない無垢さと思慮深く聡明な知性、総毛立つような酷薄な才気を併せ持つどこか本性の掴めない底知れなさを醸し出している。名前は他にも多々あるが、ここ900年ほどはこの名を名乗っている。
 甘いものに目が無く、お客がいない時はいつも店のデザートメニューを摘んでいる姿を見られる。またお使いを装って、良く日本各地の百貨店や評判の和洋菓子店に現れている。義父に習ったという占いを得意としており、よくお店に訪れたお客相手にその技を披露している。また好奇心旺盛で趣味人。
 生:?  ?歳  T:142 W:36

天沢(あまさわ) 郁未(いくみ) ――幕間ノ五第4話 初出
 元FARGO・ClassA能力者。男の子と女の子が好きな両刀遣い。FARGO施設で出会った謎の少年との間に生まれた娘・未悠を抱え、鹿沼葉子とともに全国を放浪していた。放浪当初はアンダーグラウンドにも足を踏み入れ、相当危ない橋も渡った模様。バイト暮らしを続けていた際に水瀬秋子と出会い、このまま追っ手の影に怯えながら逃げ回る日々に疲労を感じ、一所に落ち着く事を決意する。その後、葉子と東京で別れ、北海道で暮らし始めるがとある事件でそこを後にし、神祇省に能力者登録したところ北川功刀にスカウトされ、現在は大坂府警公安八課のメンバーとして活躍中。
 生:1979/1/13  22歳  T:164 W:49  B:85 W:58 H:86

天沢(あまさわ) 未悠(みゆう) ――幕間ノ五第4話 初出
 郁未の娘。この世界軸上に存在する如何なる現実・幻想両大系にも属さない未確認知性体を父親に持ち、通常の人間にありえない能力を秘めている。【三重律詩(クロスハンガー・ボーダーレス)】。現在は能力を制御できる精神年齢に達するまで秋子に貰った石で封印中。
 最近、髪の色がやや銀掛かってきている。
 生:1996/6/3  5歳  T:110 W:19

天野(あまの) (こずえ) ――第一幕第12話 初出
 小太郎の母。美汐の伯母。笑顔の絶えない大らかで気配りのきく性格の和風婦人。カルチャースクールで日舞と華道を教えている。
 えくぼがチャームポイントの年齢を経るに可愛らしさの増すタイプの女性。常に和服で通している。
 生:1965/10/30  35歳  T:150 W:43  B:75 W:57 H:79

天野(あまの) 小太郎(こたろう) ――第一幕第1話 初出
 美汐の従弟。一年来の思いが叶い、遂に真琴をゲット。現在、幸せの絶頂。かなり浮ついてる。
 誰にでも愛想を振りまき、真琴の後ろをひょこひょことついて回る姿から優柔不断でナヨナヨと芯が弱そうな印象を周囲に与えているが、こうと決めたら何が何でも意志を貫き通す強さと頑固さ、ここぞという時には腹が座る豪胆さを秘めている。ある意味凄みすらある男らしい少年。ちょっとねちっこいところが玉に瑕。
 同年代より一回り小柄で華奢な、男らしいというよりも愛らしい型の容姿の少年。母性本能を擽るのか、妙に年上にもてる。
 生:1985/1/15  16歳  T:162 w:49

天野(あまの) 愁衛(しゅうえい) ――第一幕第2話 初出
 美汐の父。全国津々浦々に出張OKの拝み屋を営む。昔は凄腕、今は? 秋子さんとは二十年来の古い友人。
 どこか抜けてそうな腰の軽さと馴れ馴れしさが目立つおじさん。顎を撫でながらいつも人を食ったような笑みを浮かべているが、基本的に人畜無害といった感じの人。
 心霊番組を見るのと、自宅を改造するのが趣味。亡き妻のコレクションである銃火器を自宅の各所に隠していて、秘密基地か要塞のようにしてしまっている。ちなみに、当人はあんまり銃器は使えない。天野宗家当主が父親だった頃は、次男は裏をという伝統から天野家の暗部を担っていた時期がある。
 生:1957/4/20  44歳  T:171 W:67

天野(あまの) 美汐(みしお) ――序幕第11話 初出
 八幕で大暴走をやらかし、積み上げてきたキャラを台無しにしてしまった少女。積年の澱を払い、想い人と再会し素直な気持ちになれたものの、自己嫌悪に落ち込んでる最中。憎悪へと押し込めていた恋心が長年の圧迫から解放され、滅入った精神と相まって好きという感情がドえらい事になっている。今なら何を要求してもOKかも。
 化粧気のない地味な容姿は相変わらず。髪型や服装も特に変えていない。ただ現在恋する少女まっしぐらなので、これから劇的に変わる可能性はあり。
 生:1983/12/6  17歳  T:162 W:45  B:84 W:53 H:80

天野(あまの) 道武(みちたけ) ――第一幕第12話 初出
 小太郎の父。愁衛の兄。頑固で思い込みの激しい親父さん。基本的にはカラリとした快活な性格の持ち主。弟が大好き。
 小柄な体躯だが懐の深い貫禄を滲ませている人物。ふてぶてしい面差しで悪役顔。
 生:1955/5/26  46歳  T:165 W:53 

天野(あまの) 美南(みなみ) ――第一幕第15話 回想初出
 美汐の母。旧姓:時任。美汐が小学生の時に病にて早世。美汐の丁寧な口調は彼女譲り。美汐の憧れであり理想。だが実態は美汐の記憶と大幅に違い、かなりずぼらでだらしのないいい加減な性格の女性だった。銃火器マニア。愛用していた銃は南部十四年式拳銃。愁衛と出会う前は術師相手の武器商人と始末屋を営んでおり【ヴァッフェン・ヘクセ】の名で知られる凄腕だった。
 毛先の跳ねたクセッ毛の、常に詰まらなそうに憮然としている醒めた雰囲気の女性。小型のプレパラート型眼鏡を着用。トランジスタグラマ。
 生:1961/2/9  90年没  享年28歳  T:160 W:48  B:89 W:55 H:83

天野(あまの) 柚太郎(ゆたろう) ――未登場
 小太郎の弟。来年小学校にあがる。小太郎が家を出たので、次期天野家当主候補。
 兄の小太郎によく似て愛くるしい盛り。将来は彼も年上キラー?
 生:1995/9/30  5歳  T:107 W:21

麻宮(あさみや) (けい) ――未登場
 北川潤の母親。息子がまだ幼稚園にあがる前に離婚し、別の男性と結婚してしまった。徹底した合理主義者で感情に流されない女性としてはまだ珍しいタイプ。理性的に己の感情を判断した結果、北川の父に離縁状を叩きつけて別の男性の下に行き、合理的に判断した結果、息子は自分のようなタイプの人間よりも父親の元にいた方がいいと判断して親権を父親にスッパリ渡してしまった人。息子とは元夫の葬式で会っただけで、それ以前もそれ以後も顔を合わせていない。新しい夫との間に娘が二人いる。
 生:1959/3/14  42歳  T:167 W:52  B:76 W:64 H:79

郁浪(いくなみ) 菰乃(こもの) ――九十九埼の剣解第1話 初出
 功刀の学生時代からの親友。旧姓:瀧斑(たきぶち)。当時半ば廃人になりかかっていた功刀を世界に繋ぎとめるアンカーとなった人。強気一辺倒で過激な上にギャーギャー口煩く、でも世話好きな品の良い容姿の女の子。両親が不仲なうえに娘にも辛く当たる人たちで、その辛さと寂しさを功刀の世話焼きにかまけることで誤魔化していた側面はあったが、真実友達想いの優しい女性だった。現在は、功刀の旦那になった哲平の部下だった郁浪拓郎の妻になり、今年4歳になる息子の母親。今も頻繁に功刀の家に顔を出し、ぐーたら主婦の功刀の尻を叩きながら北川家のお世話までしてる。功刀だけでなく、薫や哲平も、偶に遊びに来るだけの潤さえもこの人には頭があがらない北川家の人じゃないのに北川家で一番偉い人。
 生:1968/12/14  32歳  T:154 W:51  B:73 W:53 H:75

郁浪(いくなみ) 拓郎(たくろう) ――九十九埼の剣解第3話 初出
 北川哲平の捜査一課時代の部下。同じエリート組でありながら本流を外れた哲平と違って順調に昇進し、現在大坂府警の捜査一課長。でも、今でも度々公安に移った哲平に無理難題を頼まれて大変な思いをしている。飄々とした捉えどころのない青年だったが能力の方は申し分なく、判断力洞察力決断力に優れ、思考も柔軟で、頑固で強引な哲平に引き摺りまわされつつも上手く立ち回っていた。
 功刀との関係に苦悩していた哲平と違い、拓郎は同じ事件で知り合った瀧斑菰乃にさっさと手を出していた。ある意味犯罪者。とはいえ、彼女と両親の壊れた関係を清算したりと常に支えとなっていた所などなかなかイイ男でもある。付き合った期間は長く、菰乃が務めていた会社を退職したのを気に結婚。一児をもうける。日本人離れした長身で、緩んだ細目。
 生:1959/3/11  42歳  T:191 W:82

折紙(おりがみ) 紅葉(もみじ) ――第九幕二日目C 初出
 神祇省八旗の黄旗に属する少女。極度の乱暴者で狂犬のように周囲に噛み付かなければ気がすまない凶暴な娘。言動ともにガサツで野卑。女の子らしさは皆無に近い。それでいて細かい仕草などは下品ではなく、キレのある颯爽とした品性が垣間見える。敵と認めた相手には酸鼻を極めるほど残酷になれる危険人物。ただ、自分より弱いものや人品を認めた相手にはその攻撃性を向けることはない。普段は都内でも有数の女学校に通っていて、お嬢様ばかりの空間にこの手の人物は居ない所為か、妙に他の生徒に人気がある。
 猛獣のような凶悪な面構え。肩で綺麗に切りそろえられたおかっぱ頭。黒色の古風なセーラー服と最新モデルのバスケットシューズでいつも身を装っている。
 生:1985/12/2  15歳  T:142 W:34  B:68 W:45 H:67

鹿沼(かぬま) 葉子(ようこ) ――幕間ノ五第4話 初出
 元FARGO・ClassA能力者。子供の頃からFARGO施設内で育ったために世間に疎い。ニンジンが嫌いでいつも未悠に馬鹿にされていた。郁未の所為でゲームに嵌り、俗世に引き落とされ、今ではかなりの腕前のゲーマー。バイトで稼いだ生活費を度々ゲームにつぎ込んで郁未に叱られたことあり。郁未と別れた東京で再会したFARGO時代の知人とイイ仲になり同棲を始めたのだが、最近郁未が何度か連絡を取ろうとしたものの連絡が取れない状態になっている。
 生:1974/3/6  27歳  T:168 W:47  B:80 W:60 H:81

川澄(かわすみ) (まい) ――序幕第11話 初出
 イギリスに魔法留学中。志望は魔法銃剣士。最近、久瀬への恋慕を自覚し、悩んでいる。佐祐理との関係も深部で微妙に動きあり。元々内面に篭り、他者に興味を向けない生き方を長らくしていた所為か、自分に向けられる悪意に鈍感な節がある。なので、悪意というより意地悪的な意識での劉偉狼のちょっかいに対しては、なんか変なのに気に入られてしまったなあ、というぐらいにしか思っていない様子。ある意味図太い。
 生:1982/1/29  19歳  T:172 W:51  B:91 W:60 H:86

北川(きたがわ) (あきら) ――未登場
 北川潤の父親。軽薄でお人好しでやや気が弱く女に対しての甲斐性があんまりない。そのため、妻に捨てられた。何気に器用で多趣味だった。息子が多才なのはこの人の影響。ただ、息子の方があまり熱中しないのに対して此方は心から趣味を楽しんでいた。料理の腕はプロレベル。父子家庭ながら随分と上手くやっていたが、潤が中学生の時に己の不注意から事故死。
 線が細くなよなよとした見るからに頼りなさそうなおじさん。潤は母親似らしい。
 生:1967/11/8  96年没  享年39歳  T:177 W:64

北川(きたがわ) (かおる) ――第七幕『風薫る、五月の空に手を伸ばし』第1話
 北川潤の従弟。功刀と哲平の息子。母親から遺伝した特異な術式の所為で、幼い頃から身体が弱く何度も死線をさまよった経験あり。近年はだいぶ体調も整ってきて、不具合も出なくなってきた。生意気な上にちょいと歪んだ性格の少年で、気に入らない相手には徹底的に冷淡辛辣に接する悪い癖がある。気に入らないを通り越して彼なりの基準を下回った相手に対しては存在すら無視してしまう。外面は良く、世間様には愛想がいいと評判。天邪鬼なところがあり、栞に対して仄かに恋心を抱いているくせに、何かと反発し、喧嘩になってしまう。最近、母親に教えを扱いて剣を習っている。
 同年代でも小柄な方で、線も細い。ただ、ひ弱という印象は見当たらない。薄いながらも意思の強そうな口唇と、目尻にスゥと切れ込むような眼差しのためか。やや赤茶けた色の、収まりの悪い髪が特徴的。
 生:1987/12/16  13歳  T:148 W:42

北川(きたがわ) 功刀(くぬぎ) ――第六幕『シンフォニーが聞こえる』第5話
 北川潤の伯母。薫の母。息を吸うのも面倒だと言わんばかりにやる気皆無で日々をぐーたらに過ごす無能力主婦。旧姓を九十九埼といい、その筋では魔神のように畏怖されている地上最強の戦闘生物。何気に政治や権謀術数にも長けていて、陰惨な面もある。万事が万事自堕落な功刀だが、こと身内を守る事に関しては偏執的なほど全能を傾ける傾向がある。別名、錆びた斬刃。可愛いものが好き。20歳以上も年上の親父にベタ惚れして口説き落とし、高校卒業とほぼ同時に結婚に漕ぎ着けた。
 錆び色の収まりの悪い髪を適当に紐で括っている野暮ったい感じの女性。身形を整えてシャキッとするとえらい美人なのだが、だらしない上に垂れているので無理っぽい。満腹のライオンのような眠たそうな目をしている。
 生:1969/2/14  32歳  T:164 W:49  B:88 W:60 H:86

北川(きたがわ) (じゅん) ――序幕第1話 初出
 激震の様相を呈しはじめている中心核にも関わらず、一番事態に無自覚な人。だが一人安穏としているかというとそうでもなく、谷本涼子曰く、無意識に落ち込み気味で元気がないらしい。陽気で軽薄な性格で知られるが、根っこは真面目で小心者。意外とある程度以上に物事に執着やこだわりを持てなかったりして、多芸多才なわりにどれも中途半端な位置で留まっている。
 生:1982/4/16 19歳 T:175 W:64

北川(きたがわ) 哲平(てっぺい) ――九十九埼の剣解第2話 初出
 北川潤の伯父。薫の父親。元大坂府警の敏腕刑事。現在は警視に昇進し公安八課長。刑事時代に功刀と知り合ったのが運の尽き。化け物妖怪が跳梁跋扈する世界に足を踏み入れ、おまけに若いけどぐーたらな嫁まで付いて来てしまった。根っからの堅物の所為か、未だに娘のような年代の少女、というか一旦保護者という形で身請けした娘と結婚した事に背徳感を抱いている。下戸。結構お茶目。
 この世の理不尽を噛み締めて尚、正義感を失わないある意味頑固な人。二十代前半に一度結婚している。一回り下の弟を可愛がっていた。弟の息子である潤も自分の息子のように可愛がっている。亡くなった親が山持ちの資産家で、遺産のお陰で結構金持ち。
 いかつい顔に深い年輪を刻んだ、がたいの良いいかにもこわもての刑事といった雰囲気の人。
 生:1945/12/2  55歳  T:170 W:77

籤浦(くじうら) 梨玖(りく) ――第八幕第2話 初出
 大坂府警公安八課の捜査員。曲者揃いの八課の事実上の纏め役。ボスである北川哲平課長を含め、皆彼女には頭が上がらない。哲平が片腕と頼む才女。彼女が抜けると八課の機能は7割が停止すると言われている。
 容姿は地味で化粧っ気は殆どない。長身と怜悧な物腰。素っ気無い半月眼鏡がある意味トレードマークか。
 彼女も八課の面々に違わず正体は妖怪種。200年ものの濡れ女。趣味はコスプレ。
 生:1765/4/10  236歳  T:172 W:47  B:77 W:54 H:80

久瀬(くぜ) 俊平(としひら) ――序幕第5話 初出
 英国に魔法留学中。志望は経営。佐祐理に好意を抱いているものの、心底の伺えない佐祐理の様子に気持ちを伝えるかは保留している。奥手な側面もあるが、そもそもあまり恋愛関係になる事に関心を抱いていない。舞の気持ちには薄々気づいているが、確信はなく、当人の態度も明確ではないので無視している。実は恋愛感情というものに対しては酷く冷淡な面がある模様。ちなみに舞の事は友人として深く信頼を寄せているので蔑ろにしているわけではない。
 生:1981/10/1  19歳  T:181 W:55

久瀬(くぜ) 鷹志(たかし) ――第六幕「君の唄、届いて」 初出
 俊平の父。中規模の会社を経営。冷酷非情で知られ、自分にも他人にも厳しく、人間的にもいささか尖りすぎているため、友人は少ない。倉田恵三は唯一と言ってもいい親友。息子に対しても他人のような態度をとっているが、彼なりに息子を愛している。
 蛇のような目をした蟷螂のような風貌の男。表情を極力隠し、機械か虫のようだと言われている。
 生:1950/11/29  50歳  T:187 W:67

朽木(くつき) 静那(しずな) ――第九幕一日目L 初出
 神祇省での国體護持を統括する陰陽頭の職に就く初老の女性。浅慮を憎み軽挙妄動を戒める腰の重い慎重居士として知られている。が、一旦事態が動き出すと烈火のごとき果敢さと決断力で采配を揮う炎のような人物として知られる。大事件向きの指揮官。
 髪に白いものが混じった触れれば切れそうな鋭さを秘めた気難しそうな老婦人。
 生:1944/1/24  56歳  T:156 W:53

熊婦長(くまふちょう) ――序幕第10話 初出
 小菅総合病院の婦長を務める豪腕看護師。医局にも多大な発言力を有する小菅病院の主とも言うべき存在。基本的に大らかな女性でもある。渾名の熊婦長の名の通り、恰幅のよい迫力のある女性。少女二人を軽々と宙吊りにする腕力の持ち主。
 本名は楠田夢子
 生:1953/8/22  47歳  T:172 W:88

倉田(くらた) 佐奈子(さなこ) ――幕間ノ一第6話 初出
 川澄舞の母親。シングルマザー。娘の友人を通じて知り合った倉田恵三とこの度、結婚。倉田姓になりました。
 雑誌の編集の仕事をそろそろ仕舞いにして、面白そうな政治家の仕事でも手伝ってみようかと思っている今日この頃。
 ショートの髪のさっぱりとした印象の女性。年齢を感じさせない若さとバイタリティを外見に漲らせている。美人。
 生:1960/7/28  41歳  T:164 W:50  B:84 W:60 H:86

倉田(くらた) 佐祐理(さゆり) ――序幕第11話 初出
 英国に魔法留学中。志望は戦う魔法少女。見習いとはいえ念願の魔法使いになり、喜色満面かというとそうでもなく。己の久瀬への恋慕と舞が抱いている気持ちを実ははっきりと分かっているのだが、親友を裏切りたくなくかといって親友に譲りたくないという思いから己をも偽って気づかない振りに徹している。それでもその状態を維持するのには無理があり、普段の言動や久瀬や舞の態度に徐々に破綻の兆候が見え始めている。
 生:1981/5/5  20歳  T:159 W:44  B:84 W:55 H:81

倉田(くらた) 恵三(けいぞう) ――幕間ノ一第5話 初出
 佐祐理の実父。若手の実力派としてメキメキ頭角を現している代議士。不器用だが娘をちゃんと愛している父親。長らく一人身だったが、この度川澄佐奈子と結婚。有能な配偶者も得て、政治家としての立場も確かなものにしつつある。女性の衣装収集家。各地の女子高の制服から中国大陸の少数民族の民族服まで各種取り揃えている。
 白髪の目立つ彫りの深い顔をした初老の男性。
 生:1950/6/24  51歳  T:177 W:75

◆エルダ・クリューゲリッツ◆ ――第九幕一日目M 初出
 ラインの乙女最後の四姉妹の長女。リーエの姉にあたる人物。RWIS備品番号M−89。分類名称【クレイモア・ワン】
 リーエ評では愚鈍。実際はまったりとした包容感のある女性。まあ確かになにかと鈍い人でマイペース。ふわふわとカールした赤毛。柔らかなダークブラウンの瞳のやや肩幅の広い大柄な二十代中盤の容姿の女性。家事全般が大好きで、事あるごとに家財を破壊している。
 他の姉妹と違って唯一それまで所属していた王立魔道諜報局に残留し、今度は備品としてではなく正式な隊員として任務についている。隊員の一人と恋愛関係にある。
 生:1942/5/20  59歳  T:175 W:55  B:85 W:49 H:90

◆リノアーン・セルブレヒト・ゲファイン◆ ――九十九埼の剣解第8話 初出
 驟雨(レイン・ドロップ)と呼称される高位女性吸血鬼。気紛れに正体を隠したまま気に入った人間を眷属にし、そのまま無責任に何のフォローもせず、飽きた恋人を捨てるように放置したまま消えてしまうという事を数百年繰り返している。闇の世界の知識もルールも知らず吸血鬼の力だけを手に入れてしまったという誰にとっても傍迷惑な存在を無軌道に作り出すため、教会どころか魔術師や他の幻想種、同じ吸血種からも眉を顰められている困った吸血鬼。ただ、これでも最古にして最も盛大で華やかだったと伝えられる吸血種の伝説的夜会『蝕盟』の参加者名簿に名を連ねている強大無比な第二世代吸血鬼(ハイ・エンシェント・ドラキュリーナ)
 ワインで染めたような色の腰まであるウェービーヘア。トロンとした流し目に酔っ払ったように緩んだ口許をした、甘ったるいイメージのグラマラスな美人。
 生:1※72/7/24  29歳  T:170 W:56  B:87 W:61 H:92

香村(こうむら) 一子(いちこ) ――第六幕第2話 初出
 栞と真琴のクラスメイトで友達。非公式団体である新聞部に所属。ゲリラ的に新聞を発行しているが、けっこう活動は苦しい模様。勝気で負けず嫌いだが、中身はあっけらかんとしていて物事を引きずらない性格。もしくは忘れっぽい。ゴシップ好きの騒々しい小娘だが、頼れて友達甲斐のある少女。
 カラーを入れたセミロングの髪を左右非対称のアシメトリーに決めている、小物をあしらうのが得意で結構お洒落。
 生:1984/7/9  17歳  T:152 W:41  B:75 W:51 H:75

氷屋(こおりや) 千歳(ちとせ) ――第九幕一日目K 初出
 北物見帝大二回生。草野球同好会に所属する柊琴夜の親友。前髪に赤いメッシュを入れ、その上金色に髪を染めた派手な女。ただ、その鼻先に野暮ったい黒縁眼鏡を乗っけていてイメージが混沌としている。素顔は神経質そうで刺々しい苛立っているような近寄りがたいもので、眼鏡はそれを和らげるアクセントになっている。固い男口調だが、これは意識してやっている。
 中学の頃から荒れていて、売春まで経験するような乱れた生活を送っていた。高校三年の時、継母の連れ子だった弟とただならぬ仲になってしまうが、逆にそれで生活を改め猛勉強をしてこの大学に進学した。現在、弟とは密かに恋人関係を続けている。
 乱暴だが男前な性格で、強引とも言える手段で混乱した事態を収拾する手腕に長けているため、何かと会長が騒ぎを起こす同好会では副会長とは別の観点から頼りにされている。
 生:1981/5/26  20歳  T:162 W:44  B:77 W:54 H:75

此花(このはな) 春日(かすが) ――第二幕14話初出
 キャピキャピ度急上昇中の女男。物部澄のラ・マン。人懐っこい天然奇人は相変わらずだが、この頃少し物思いに耽っている姿が見かけられる。実家は地元の県会議員。家族との関係はかなり良くなく、同じ街に実家があるのに彼が一人暮らしをしている理由もそこらへん。唯一、二つ下の妹ハルヒとだけは連絡を取り合っている。
 伸ばしたサラサラの茶髪が良く似合う小柄な少女然とした少年。花丸パンみたいな笑顔がデフォルト。髪型をツインテールにしてみたいと常々考えている。
 生:1984/7/7  17歳  T:154 W:44  

斉藤(さいとう) (はじめ) ――第一幕第七話 初出
 高校時代の美坂チームのクラスメイト。映画研究会に所属し、将来は映画の演出、監督を志望する。高校卒業後は上京して映像関係の学校に通いつつ、現場にもぐりこんでアルバイトに励んでいる。
 短く髪を刈り込んだガタイのいいややおっさん臭い風貌の少年。
 生:1982/11/24  18歳  T:181 W:78  

冴木(さえき) (あや) ――第九幕二日目C 初出
 神祇省の退魔集団八旗の白旗頭。雪のように白い肌と氷原のような白銀のロングヘアーの女性。裾のヒラヒラした薄手の服を好み、足元は何故か冬でもサンダルか素足で通している。一言一言言葉を区切って喋る。それも単語になっていない所で区切るので、妙にじれったい。その人間の時間感覚から逸脱しているようなフワフワとした挙動と、どこを見ているのかわからない焦点の合っていない薄い紅茶色の双眸から、ふとそのまま粒子になって消えてしまいそうな幻のような心もとない存在感の女性。
 怪人揃いの八旗の人々をして「原子炉の炉心に生身で入ってはいけません」と同レベルで「冴木綾だけは怒らせてはいけません」と戒められている人でもある。
 八旗は副業。本業はとある女子学校の化学教諭。極度の機械音痴。
 生:1977/4/5  24歳  T:166 W:46  B:75 W:53 H:75

嵯峨原(さがはら) 千畝(ちうね) ――第一幕第13話 初出
 天野宗家の側近頭を務める老紳士。実直温厚な性格で暴走しがちな当主の手綱を握る天野家の要とも屋台骨ともいえる存在。術師としても一流の腕前で、長らく愁衛と共に天野一門の双璧と数えられていた。息子が一人おり、来年の年明けに初孫が生まれる予定。
 髪をオールバックに撫でつけ、恰幅のよい体型をした穏やかな風貌の持ち主。恵比寿さん系統。
 生:1945/12/31  55歳  T:169 W:87  

桜子(さくらこ) ――第九幕一日目L 初出
 後桜町帝以来の女帝として即位する。幼名を鴇宮(ときのみや)桜子。
 静謐な水鏡のような双眸と陽光の下よりも夜の帳か驟雨の下が相応しい重苦しい神秘さを秘めた少女。ごく親しい間柄の人々の間だけ年相応の少女らしい素顔を見せるものの、普段は立場からか弱い面を見せまいと抑制の効いた誰しもが望む英邁でありながら穏やかで健やかな君主像を演じている。
 生:1983/12/30  17歳  T:155 W:44  B:76 W:52 H:78

柴崎(しばさき) 丈臣(たけおみ) ――第九幕プロローグ 初出
 北物見帝大の二回生。草野球同好会の副会長。極端に無口で滅多に口を開かない。柊琴夜とは家が隣の幼馴染。お嬢様学校からドロップアウトしてきた琴夜の支えとなった人物。喋らないうえに身振り手振りも少ないくせに何故か意志の疎通には不自由せず言いたい事が伝わってくる不思議な人。自己主張もあまりせず、普段から派手な言動の琴夜の影に寄り添い何くれとなくサポートしている。ニコニコという笑顔以外の表情を殆どの人は見たことがない。
 生:1981/6/7  20歳  T:172 W:69  

丞悠(じょうゆう) ――第八幕第1話 初出
 日本でも有数の魔獣と謳われる鵺という妖怪。幼い頃、同族に殺されかけたところを箍見景紹に救われ、彼の許で育てられた。箍見の娘とは兄弟同然に育ち、仄かに想いを寄せていたが彼女は鵺の想いに気付かず他の男と結婚し、娘をもうけてしまう。想いを胸に押し込めつつ、娘家族を見守り新たに生まれた子供を可愛がっていた丞悠だったが、娘一家が殺されてしまった事で箍見の復讐に加担する事になる。鵺としてはまだほんの子供。人間形態は7、8歳くらいの男の子。幼い体躯を藍色の法衣に包み、毅然とその背を伸ばしている。キリリと端の切れ上がった理知的な双眸、固く引き締まった意志の固そうな口許からは尖った八重歯が覗く。黒々とした夜の森を思わせる髪の毛はざんばらで、獣の余韻を滲ませる。幼いながら蹲る静かな猛獣のような印象を湛える男の子。
 生:1969/11/11  31歳  T:128 W:29(人間形態時)

箍見(たがみ) 景紹(けいしょう) ――九十九埼の剣解第5話 初出
 元は高野山に居たという密教僧。自分を破戒僧と言って憚らないが、その豪放磊落な器の大きさと深さから彼を慕い一目置くものは多く、それは人間妖怪の区別をつけない。また他人の面倒を見る事に喜びを感じるタイプで、彼に助けられた者も多く、水瀬秋子も駆け出しの頃彼に世話になった事がある。温厚で慈愛に満ちた人柄の持ち主だったが、娘夫婦と孫を殺され復讐鬼となり、幾多の人を巻き込む事件を起こした。公安八課に捕縛され、現在は神祇省の監視下で幽閉されている。
 僧侶姿の巨漢の老人。
 生:1940/5/18  61歳  T:193 W:101  

◆タクシーの運転手◆ ――序幕第12話 初出
 本作品の主舞台となる街を主に根城にしている個人タクシー事業者。
 物理的可能性のある限り、ほぼ間違いなく乗客の要望どおりの時間内に目的地に達することから、一部で必殺仕事人のような扱いを受けている凄腕ドライバー。非常時には平然と交通倫理を無視することから、どうして個人タクシー業務の資格審査を通ったのか大変疑問である。少なくとも警察のお世話になったことはない模様。
 本名は極秘事項。チャールズ・ブロンソン似の中年男性。

竹下(たけした) 宮古(みやこ) ――第三幕第7話 初出
 元『百花屋』のウェイトレス。現在は同じ商店街にある甘味処「鳥羽流華院」に移籍して働いている。やや慌て者で気が弱いものの、気配り上手で人間関係の潤滑油的な存在。
 ややふっくらした丸顔のころっとしたイメージの女性。髪型をチャイナシニョンに結っている。
 生:1978/5/4  23歳  T:164 W:58  B:86 W:65 H:90

辰巳(たつみ) 良弦(りょうげん) ――第九幕二日目C 初出
 神祇省の退魔部隊征夷八色黄旗頭。背丈が2メートル以上ある寡黙な巨人。チェロの響きに似た重厚感あるバリトンの惚れ惚れする声音の持ち主で、周囲からはその寡黙さが惜しまれている。巨大な人間にありがちなアンバランスさが見当たらず、質量に比してむしろスラリとしているように錯覚してしまいそうな均整の取れた体躯の持ち主。
 生:1967/7/11  34歳  T:208 W:115

谷本(たにもと) 涼子(りょうこ) ――第九幕一日目D 初出
 北物見帝大の一回生。草野球同好会のショートレギュラー。広いおでこが特徴的な、鼻筋の通って唇の小さい、美人系ではないけれど異性同性問わずに好かれる雰囲気のどこかおっとりした感じの娘。恋愛経験が豊富で自称恋多き少女。大学に入って以来フリーだったのだが、現在は北川に惹かれアプローチを仕掛けている。精神的に落ち込み気味の男の子にときめいてしまう性分で、これまでそれなりの人数と付き合ったものの、本気の恋愛にまで至らずあまり長続きした事はない。悪戯っぽくニヒヒと笑うくせがある。自分ではスレてると思っているが、実際的には純情と言った方がいい心根の娘。
 生:1982/4/10  19歳  T:169 W:50  B:91 W:57 H:88

月城(つきしろ) (れん) ――第九幕一日目L 初出
 日本で最も強大な退魔集団八旗衆、その紫旗の頭。水瀬秋子の古い仲間の一人。妖艶な色気にむせ返りそうなほどの凄絶な美人。でも性別は男。男装の麗人ならぬ女装の麗人。バイセクシャル。ついてるかついてないかは応相談。奇行を好み自由を愛する奔放なアウトローを自認し振舞っているが本人がそう思いたいだけで、実際は責任感が強く何気に委員長気質で余計な苦労まで好んで背負い込んでしまう性質の人。秋子と知り合った事件でも、功刀や美南や愁衛に祐馬や奈津子といった団体行動能力皆無だった連中を前にしていつの間にかリーダーというか引率の先生みたいな立場になっていた。ある意味当時の仲間の間で唯一まともに組織人になったのもむべなるかな。
 顎の尖った端整な顔立ちに、鋭利さよりも柔らかい余裕を感じさせる淡い微笑を湛えている。紫を始め、派手な色のルージュやアイシャドウを好み、アクアマリンをあしらったピアスや指輪、ブレスレッドなどの装飾品を多数身につけている。冷静に見るとけっこうケバい。【Like dead Ophelia】
 生:1952/7/10  49歳  T:178 W:54

月宮(つきみや) あゆ() ――序幕第8話 初出
 水瀬家食客。喫茶『雪村』のチーフウェイトレス。現在、職場恋愛中。仕事にも慣れ、そろそろ失敗もなくなったかと思いきや、時折大ポカをやらかす。ある意味名物で、常連――特に同じ商店街のおじさんおばさんには大人気。初めの頃は弱かったお酒も、最近はめっきり強くなってしまい、ビールでは物足りなくなってきている。
 伸ばしていた髪がそろそろ肩に掛かってセミロングになってきた。胸は逆に減ってしまいそろそろ絶望気味、最近はいっそウエストをもっと細くしてスレンダーを目指そうかと思っている。
 生:1983/1/7  18歳  T:154 W:40  B:78 W:53 H:80

九十九埼(つくもざき) 重芳(しげよし) ――九十九埼の剣解第7話 初出
 北川功刀の父親。下部に位置する組織から九十九埼一族の分家筋に婿入りした男。有能ながら実直な忠臣と思われ一族から信頼を得ていたが、実際は野心家で欲深く嗜虐性があり人を弄んで悦楽する類の策謀家。潔癖症でもあり、自分から志願して兵器として改造しながら、娘の功刀を表向きは可愛がりながらも内心では蛇蠍のように嫌っていた。婿入り当初から組織を裏切っていて、情報を外に流しており、最終的に組織の計画の完成体である功刀を連れて組織を抜けようとしたのだが、母を功刀に殺させた事で真意を見抜かれ、娘の手で惨殺された。
 生:1941/1/29  78年没

九十九埼(つくもざき) 静歌(しずか) ――九十九埼の剣解第7話 初出
 北川功刀の母親。一族の分家筋の娘で、重芳との政略結婚を粛々と受け入れる。気位が高く冷厳とも言える性格で娘に対しても滅多に笑顔を見せず、厳しく接する母だった。政略結婚とは言え、夫にはそれなりに愛情を感じ、有能さには満足していたのだが、夫の裏切りを知りさらに娘を連れ去った事に激怒。己の手で始末をつけようと逃げた夫を一人で追ったものの、重芳に騙された娘の手で殺されてしまう。
 生:1950/9/7  78年没

九十九埼(つくもざき) 士郎(しろう) ――九十九埼の剣解エピローグ 初出
 現在、警察庁公安八課管理官を務める高級内務官僚にして、九十九埼グループの実権を握っている男。内務省における幻想領域事案に対する総責任者的立場についている。功刀の従兄。次期当主と嘱望されていた功刀の側近となるよう期待されていた人物だったが、功刀が追放されると共に野心を露わにし、巧妙に長老たちを権力の座から追い払い、実権を握ってしまった。以後、旧態然としていた九十九埼のシステムを警察機構に組み込むなどして国家中枢との一体化を図っている。普遍的な正義感と倫理観の持ち主だが、情よりも理を重んじる怜悧な性質で、功刀に対する扱いも従妹を気遣っている割合より利用価値があるからという割合が大きい。功刀もそれは分かった上で付き合っており、互いに建前と牽制を入れ合う緊張感ある間柄。ただ、冷戦状態というには妙に気が合っていて仲が良いようにも見え、二人の関係は傍目にも複雑怪奇。紗絵という7つ年下の妻と娘と息子が一人ずついる。
 博物館の学芸員か音楽教師といった雰囲気の男。目下にも丁寧な物腰で温厚で無害そのものの外見だが、見る人が見ればとてつもなく胡散臭い。
 生:1956/12/29  44歳  T:177 W:76

樋端(といばな) 睦美(むつみ) ――第八幕第2話 初出
 大坂府警公安八課の捜査官。『ロケット花火樋端』と揶揄される八課の吶喊要員。氷柱女。雪女と間違えられると激しく怒る。どっちでも一緒じゃんと言うとキレる。雪と氷に覆われた秋田の山中から華やかな生活を夢見て生活都会に降りてきたものの、世間知らずの小娘な上になにかとすぐ溶けがちの氷柱女では就職も侭ならず、狭いアパートでパンの耳を齧るように日々をアルバイトで凌いでいた。その後、とある事件で知り合った探偵のところに居座り、助手として働いていた。が、自らのミスで事務所は潰れてしまい、失業。さすがに二進も三進もいかなくなり、一念発起して勉強し、公務員試験に合格。公安八課に入りようやく人並みの生活を得る。いささか頭が悪く、考えるより先に身体が動いてしまう人。苦労したからか時折ズバリと至言を口にすることがある。暑いとすぐ溶けてしまうので、夏場は基本的に内勤か夜勤。雪女と違って氷柱女は全溶してもすぐ復活するせいか、安易に溶ける困った人。自宅に冷蔵庫を改造した寝台を設けている。新人として入ってきた天沢郁未の相棒。最近、貞操の危機を感じてるとかいないとか。色白で鼻筋の通った古風な顔立ち。
 生:1913/2/10  88歳  T:152 W:45  B:76 W:53 H:74

桐條(とうじょう) 琥永(こなが) ――九十九埼の剣解第1話 初出
 高校時代の北川功刀の級友。功刀をクーさんと呼ぶ口の達者な愛嬌のある少年。大雑把で能天気、失敗も多く無神経とガキっぽさが目立っていた。菱形登美子とは幼稚園以来の幼馴染で、お互いの欠点をフォローしあう傍目にも良いコンビ。付き合っていた訳ではないが、友達以上恋人未満の心地よい関係を続けていた。功刀と哲平が出逢うきっかけとなった事件で、失踪した幼馴染を探し回るうちに事件の犯人によって殺害されてしまう。
 生:1968/4/7  85年没  T:164 W:66

鳥羽(とば) 明美(あけみ) ――第九幕プロローグ 初出
 喫茶『雪村』の商店街の丁度東西対称の場所に店を構える甘味処『鳥羽流華院』の女性店主。洋のユキムラ、和のトバルカインと並び賞される商店街の名店で、雪村のライバル。
 京都出身のぽっちゃりとした30代後半。はんなりした京都弁を駆使するやり手の経営者。
 生:1964/7/9  37歳  T:162 W:79  B:89 W:74 H:92

渡万里(とまり) (とおる) ――第九幕二日目F 初出
 月城漣率いる紫旗のメンバー。常にフィットタイプのサングラスをした、カマキリのような容貌の男。
 生:1968/6/1  33歳  T:177 W:62


二条(にじょう) 紅葉(くれは) ――第九幕二日目E 初出
 帝都は渋谷区青山通りにあると言われるものの、その場所を見つけられる者は稀にしかいないという不思議な喫茶兼BAR『葛葉』の女性店主。二十代後半から三十前後と思しき妙齢の優しげな雰囲気の女性。背中の辺りで揃えられた髪は淡い亜麻色なのだが、なぜか前髪の左眼に掛かる一房だけが真っ赤に染められている。店ではバーテンダー風の背筋の通った男装姿だが、中性的な印象はあまりなく、あくまで女性らしさを前に出した形で男装を着こなしている。
 物腰は上品で、一挙手一投足に気品と教養が感じられ、上流に位置する世界に長らく居た事を連想させる。口数はあまり多くなく、客相手でも友人相手でも主に聞き役に回る事が多い。少し説教好きな面あり。
 昭和初期頃に、自身の末裔にあたる青年と良い仲になってしまい、子をもうけている。
 生:932/11/12 1069歳  T:155 W:47  B:81 W:58 H:86

(ひいらぎ) 琴夜(ことよ) ――第九幕プロローグ 初出
 北物見帝大二回生。祐一や名雪の先輩であり、草野球同好会の会長。豪腕投手。亜麻色のロングヘアーを縦ロールにし、お嬢様言葉を使うというどこのベルサイユから出てきたのかと疑いたくなるようなお嬢様然とした女性。非常に短気で喜怒哀楽が激しい激情家。感情が臨界を突破すると豹変してレディース風の言動になってしまう。別名『マドモワゼル釘バット』。ブルドーザーのように周囲の人間を引っ張りまわすパワフルな人でもある。中学高校と家柄の良い子女が集まる私立の女学校に通っていたものの、学風に馴染めずずっと浮いていた。極端なお情様然とした身形や言動は彼女なりに馴染もうとした結果である。激しく方向性が間違っているが。結局、付属の大学には進まず北物見に進学する。女学校で純粋培養された為か、とんでもなくウブ。実家は街の小さなパン屋さん。
 生:1981/8/31  19歳  T:166 W:49  B:87 W:56 H:90

氷上(ひかみ) シュン() ――幕間ノ八 永遠と世界の狭間で 初出
 どこか達観したような浮世離れした雰囲気を持つ、現実感の稀薄な少年。長らく病を患っていてこの世界に絶望を抱いていたのだが、治療法が確立されたことで唐突に突き放されていたはずの現実世界に引き止められたことに、正直戸惑いと混乱を感じてしまう。心の整理をつけるためと称して欧州を放浪旅行した際に、自身に備わってしまった不可思議な能力の為にこの世界の裏側にある世界を知り、道化の魔王と呼ばれる存在と友人になる。それをきっかけに彼が何を思ったかは未だ語らざるべき事なれば。現在は住んでいた街を離れ、この病気の治療法の一線を担う小菅総合病院に入院し、手術の日を待っている。
 生:1983/6/4  T:168 W:55

菱形(ひしかた) 登美子(とみこ) ――九十九埼の剣解第1話 初出
 高校時代の北川功刀の級友。気が小さく心配性で、功刀に短気を起こして怒り狂う菰乃という毎度の構図に毎度おろおろと動転していた、トロくさい小動物的な少女。友達のいない功刀を心配していつも一生懸命接してきていた優しい娘。近所の幼馴染の家に遊びに行く途中に吸血鬼に襲われ、自身も吸血鬼化。自分を探していた幼馴染を襲ってしまい、半ば狂った状態になる。吸血鬼を処分しにきた功刀と戦い、消滅する。
 生:1969/2/22  85年没  T:160 W:57

◆ぴろしき◆ ――序幕第13話 初出
 元播磨圏猫一文字連合総代。旧名:三揃(みぞろ)の小春。かつては地域中の猫に姐さんと慕われた大親分。親友御門和巳の代わりに、跡目を後進に譲り単身北の街に居を移して、陰から美汐を見守り続けた友誼を尊ぶ粋な猫怪。人化したてで右も左もわからなかった当時の真琴に財布を恵んだヒト。人語は解するが、喋るのは出来ない。また人に変化するのもまだ出来ない。
 締まりのない顔をした糸目の斑猫。
 生:1964/4/20  37歳 

◆ジェラルド・フィレンツェン◆ ――九十九埼の剣解第2話 初出
 心臓喰らい(ハートイーター)と呼称される第三世代吸血鬼。第二次大戦中の中立国スペインで、ドイツ国防軍諜報機関の雇われ現地工作員として働いていたのだが、いい仲になった女が高位吸血鬼で血族にされてしまった。
 吸血鬼としては出来そこないで、致命的なことに吸血しても殆どの確率で怪物化してしまいまともに血族を増やせない。その分、吸血鬼としての力の強さは上等の部類に属していた。孤独に耐え切れない心の持ち主でありながら吸血鬼になってしまい、おまけに吸血鬼選民思想に傾倒してしまったため、血族を増やせずにいる事に絶望。吸血しても怪物化してしまわない人間を探しているうちに手段に見境を無くして行き、フィリピンで街一つ壊滅させてからは教会を中心に緊急殲滅対象となる。人間時代に諜報員の訓練を受けていた所為か、追っ手を嘲笑うかのように捕捉すらされずにい悠々と逃げ回っていたが、適合者探索の流浪の果てに辿り着いた日本の地で、功刀と出会うことになる。
 野性的な魅力をかもし出すラテン系の紳士。ウェービーヘアの黒髪を肩まで伸ばし、青磁のスーツに身を固めている。言動の一つ一つが大仰で芝居くさく気取っている。
 生:1912/3/16  85年没  T:196 W:82

御神楽(みかぐら) 綺咲(きさき) ――第九幕二日目C 初出
 自分の背丈よりも大きい巨大な番傘を担いで歩いている変な女の子。折れた兎の耳のようなツインテール。祭りの法被のような服を着ていて、可愛らしい顔立ちをしているものの、ヤブ睨みのような半眼が色々台無しにしてしまっている。不景気そうな無表情が基本形態で、感情の動きに合わせてやぶ睨みの半眼が微妙だがあからさまに形を変える。表情が豊かなのか乏しいのかいまいち分からない。そこはかとなく高飛車。さりげなく偉そう。語尾がなの少女。
 生:1989/10/28  11歳  T:133 W:24

御門(みかど) 乱麻(らんま) ――九十九埼の剣解第5話 初出
 御門和巳の父親。明治期に没落した陰陽道家の当主。近畿圏でも腕利きで知られるフリーの退魔師。陰気で人の気分を暗くするような陰鬱な雰囲気を湛えている。酷薄で無情。口数が少なく人間不信気味で、人当たりも刺々しく皮肉や侮蔑で態度を鎧っている。これでよくぞと思うがちゃんと結婚していて、息子が一人いる。ただ息子とはそりが合わず、息子が家を飛び出して以降は断縁状態。
 長身でひょろりと細い針金のような痩躯。長く伸びた前髪で目元を隠している。
 生:1951/6/13  50歳  T:182 W:54

御門(みかど) 和巳(かずみ) ――第八幕第1話 初出
 昔、美汐の家に居候していた青年。家を空けがちな天野父に成り代わり、兄代わりとして美汐を見守り続けていたが、とある事件で家を出てしまう。その後三年近く、全国を放浪し、果ては大陸にまで渡っていたが、依頼された事件の犯人を追ってこの街に戻ってくる。性格は明け透けにバカ。粘性のない気持ちのいい男だがバカ。思慮深く先の先まで考えて行動する慎重な男だが、バカな為に結果的に見ると後先考えてない猪突型にしか見えない。バカだが、若くして古の名陰陽師安倍泰親の再来とすら呼ばれ、幾多の他流の魔道をも修めている本物の天才魔術師。ストレスが溜まると引き篭もって変な効果を持つ呪符を造りまくる癖がある。才能の浪費家。軟派な男だが、実際は純真で一途。でもスケベでセクハラ親父。卵料理が好物。
 赤く染めた長髪を三つ編みに細く結いおさげにしている。ラフな格好を好み、アーミールックを良く着古している。左目に縦に深い傷痕が走っていて人相はあまり良くない。その傷を負った際に左目を失っており代わりにラピスラズリの色をした浄眼を入れていて、それを隠すためにサングラスを常用している。
 生:1976/12/26  24歳  T:179 W:68

御子柴(みこしば) 浅霞(あさか) ――第九幕一日目G 初出
 サイドテールの小動物ちっくなオドオドとしている小柄な女の子。これでも祐一たちより年上なのだが、中学生くらいにしか見えない。北物見帝大二回生。草野球同好会セカンドレギュラー。すぐごめんなさいごめんなさいと謝る。脅かすと逃げ出す。緊張するとドモって舌を噛む。それでいて物凄くお喋りで人見知りせず誰彼構わず話しかけるという矛盾した娘。
 生:1982/3/14  19歳  T:150 W:41  B:72 W:47 H:76

美坂(みさか) 英悟(えいご) ――第五幕「Good Good Morning」 初出
 美坂家の父。病身の娘を抱え、不安定になりがちな家庭をしっかりと支えた頼もしい父親であったが、栞が峠を乗り越え家に明るさが戻ると、ボロボロと貼り付けていた何かが崩れ女系家族の唯一の男である立場の弱さを露呈。姉さん女房の妻には頭があがらず、娘たちには蔑ろにされ、家を追い出されて庭先でテントを張って夜を明かしたことも。基本的には家族に愛されるお父さんではある。偏執的な栞至上主義者。栞に粉掛けようとする男は全員敵という明快な論理の持ち主。
 すらりと背筋の通った紳士然としたナイスミドル。言動や仕草、表情の端々に渋い色気が滲んでいて、職場の女性社員の間では浮気したい上司No.1にあげられている。
 生:1959/1/20  42歳  T:185 W:72

美坂(みさか) 香里(かおり) ――序幕第3話 初出
 新生活がはじまるとともに、どうにも足元のおぼつかない男女関係をフラフラと繰り返している。生活が乱れだしていて、家に帰らない日も度々。身なりや化粧もやや派手になってきている。なら高校時代の仲間とは疎遠になりつつあるのかと言えばどうでもなく、特に北川の部屋に入り浸る回数は以前より増加傾向にある。
 客観と理性をこの上なく尊びながら、完膚なきまでに非論理的で主観に引き摺られて錯誤迷走する人。この世で自分が一番嫌い。
 生:1983/3/1  18歳  T:164 W:47  B:84 W:54 H:81

美坂(みさか) 沙織(さおり) ――第五幕「Good Good Morning」 初出
 美坂姉妹の母親。美坂家のヒエラルキーの頂点におわす人。栞のアグレッシブさと悪辣さ、香里のバイオレンスと冷酷さを併せ持つラスボス。美坂父とは中学からの先輩後輩の間柄。高校の頃には両想いだったものの、片や意地っ張りで暴走傾向、プライドが高く素直じゃない、片や奥手で鈍感、自分に自信がなく思い込みが激しいという二人な所為か、大学時代に結ばれるまでの数年間に凄まじい恋の鞘当……というかもはや暗闘に近いものが繰り広げられた過去あり。娘二人にも受け継がれているようだが、美坂家の人々はどうにも恋愛がへたくそな血筋の模様。
 容姿は香里に年輪を加えて、ややふっくらさせたような感じ。
 生:1956/12/19  44歳  T:160 W:55  B:85 W:60 H:87

美坂(みさか) (しおり) ――序幕第1話 初出
 北川との関係で一度失敗してるにも関わらず惚れっぽさは健在。今度は自分と同じ病気の手術を受けに来訪している青年に熱をあげている。女の子らしさをアピールする事に熱心なくせに、アピール対象じゃない相手の前や他人の目がないところでは酷くだらしがない。実は病気が完全に完治していない。最近の姉の乱れた行状に漠然と不安と不快感を抱きつつある。
 生:1984/2/1  17歳  T:157 W:45  B:82 W:54 H:84

水瀬(みなせ) 秋子(あきこ)
 水瀬家大御所。青春真っ盛りの子供達に若い子は良いわねえと溜息増量中。ストレス発散に車が買いたい今日この頃。
 三つ編みも麗しい未亡人。出勤時にはパンツスーツを着用。
 生:1964/9/23  36歳  T:165 W:50  B:86 W:57 H:83

水瀬(みなせ) 純一郎(じゅんいちろう) ――未登場
 名雪の父親で秋子の夫。のんびりした大らかな男性。家事能力に長けていて、秋子さんは彼からだいたいを教わった。唐突に自分の世界に入ってしまうことがあり、周囲に呆れられること度々だった。名雪が生まれる前に行方不明になっている。わりといい所の生まれ。兄が二人いるが、実家とは疎遠。ただ祖母には幼い頃から目を掛けられていて、何くれと無く援助して貰っていた。現在も、秋子に対して密かに援助は続けられている。
 ひょろりとした長身の優男。
 生:1957/11/10  82年消息不明  T:185 W:57

水瀬(みなせ) 名雪(なゆき) ――序幕第8話 初出
 水瀬家組長。祐一の恋人(攻) 高校できっぱり陸上をやめたつもりだったのだが、根っから身体を動かすのが好きな性質だったのかどうにも物足りない日々を送っていて、勧誘されたのを幸いに草野球同好会に入会した。野球の経験はなかったものの、足の速さと運動神経の良さでセンターのレギュラーを獲得。最近、偶に可愛いお化けが視えるようになり喜んでいる。
 ますます和み系の美貌を磨き上げている。眠たそうなのは相変わらず。髪型を変えてみようか密かに検討している。
 生:1982/12/23  18歳  T:165 W:49  B:86 W:58 H:84

水瀬(みなせ) 真琴(まこと) ――序幕第5話 初出
 水瀬家若頭。尻尾が一本増えて双尾の狐に。つい先日、一年近い小太郎の求愛に遂にほだされ陥落。小太郎と付き合いだした。若さにかまけて発情中。失恋や親友美汐との衝突を経て人間的に目に見えて成長している。
 ふわふわと柔らかい小麦色の髪を活発そうなミディアムのボブにしてシャギーを入れている。元気溌剌少女から健康的な色気を醸す少女に進化中。見違えるほど女っぽくなったと評判。
 生:19??/1/6  16歳(?)  T:163 W:47  B:82 W:56 H:78

(みゆき) 五十鈴(いすず) ――第九幕一日目L 初出
 桜子の身の回りの世話をする女官。神聖にして不可侵たる方に対して俗世の下世話な情報を仕込んで喜ぶ一部の人にとっては国賊的人物。ふわふわとしたエアリーな栗色の髪をダックテイルに結っている。大きな眼鏡は定番。清英という弟が一人居て、彼も側用人を務めている。桜子からは何故か十兵衛と呼ばれている。
 生:1974/9/3  26歳  T:167 W:53  B:88 W:58 H:90

物部(もののべ) (すみ) ――第二幕14話 初出
 天野生徒会の口撃担当補佐官。冷淡で辛辣なのは変わらぬのに、恋愛相談に訪れる人が多くて困惑気味。最近、少々生理的に情緒不安定傾向。実家は不動産業を営んでいる。
 ムスっと不機嫌そうにしているか小馬鹿にしたような冷笑を浮かべている長身の美人。腰まで伸びた銀を塗したような艶やかな髪の持ち主。
 生:1983/12/4  17歳  T:167 W:48  B:79 W:55 H:80

諸角(もろずみ) 義尾(よしお) ――九十九埼の剣解第7話 初出
 大坂難波を根城にしている不良神父。その女癖の悪さと金銭関係のトラブルの多さ、素行の悪質さから教会から破門されて久しいが、腕の方は一流というエクソシスト。箍見景紹や御門乱麻と組んで仕事をする事が多い。若い頃から行状はさっぱり改まらず、現在は莫大な借金を抱えて東北らへんに逃げているらしい。いい加減で不真面目だが陽気で付き合う分には気のいいおっさん。
 髪を金髪や赤や紫に染め、整髪剤でツンツンに尖らせている。丸眼鏡のサングラスを愛好、仰々しい安全ブーツを履き、耳に銀のロザリオのピアスを付けている。まるっきりチンピラ。このまま行くとジジイのチンピラ神父になると思われ。
 生:1956/12/9  44歳  T:177 W:75

八雲(やくも) ――第八幕 初出
 中学生だった美汐の前に現れたものみの丘の狐。10歳前後の男の子の姿で、柔らかそうな小麦色の髪にキラキラと輝く眼をした真夏の太陽みたいな印象の少年。能天気で無邪気で悪戯好きの手に負えない悪ガキ。基本的にバカで、同じバカの御門和巳に乗せられ美汐に毎日のようにとんでもない悪戯を仕掛け、怒られたおしていた。
 やがてものみの丘の狐の宿命で徐々に衰弱していき、人間らしさを失っていく。そのまま泡のように消えるはずだったのを美汐の術で延命されるものの、逆に言うとそれだけ長く苦しむ事になった。その間に、慕う美汐の傍を離れたくないという純粋な想いが募り募った挙句怨念にまで至り、美汐が施した術式と不良反応を起こし生きたまま怨霊と化してしまった。そして、美汐を手に掛けそうになってしまった所を御門和巳の手で殺される。
 生誕年日不明  1998年没  T:136 W:32

雪村(ゆきむら) (かなめ) ――第二幕第1話 初出
 軽食喫茶『雪村』のオーナーにしてマスター。どこで修行してきたのか料理とコーヒーの腕は達人。凄まじく凄惨な形相をしていて初対面の人には引かれるのだが、実際は極めて温厚な人柄で形相と同じくらい凄まじい天然で思考がどこかズレている。あゆ曰く、何事にも動じずわが道を行く人に見られがちだが、人と感性がズレているだけで、本来は繊細で気遣いの人。
 外見は青白く不健康そうな肌色と痩身。神経質そうな三白眼、表情に乏しく常に不機嫌そうにしている。口調も固い。本人はこれで見るからに温厚で人懐っこい人物を気取っているつもり。あゆとは、穏やかで落ち着いたじっくり熟成するような大人の恋愛を育んでいる。
 生:1973/12/31  27歳  T:185 W:50

米内(よない) 明日奈(あすな) ――幕間ノ一第1話 初出
 元『百花屋』看板ウェイトレス。あゆの女給道の師匠。旧姓は堀。雪村要とは彼が幼い頃に家に預けられた事情で姉弟同然の関係。傍若無人に雪村を振り回して随分苦労させた。長らくなあなあの関係を続けていた上司であり元先輩である米内と店を畳むのを機に結婚。思慕を寄せてくれた雪村との関係をきっちり清算し、現在は次期社長夫人としての勉強の毎日。
 中学高校とバレー部だっただけあって背が高い。容姿のタイプとしてはこみパの高瀬瑞希似?
 生:1972/4/4  29歳  T:169 W:55  B:85 W:58 H:80

米内(よない) 俊喜(としき) ――幕間ノ一第1話 初出
 元『百花屋』店長。若くして一城の主となっただけあってしっかりとした性格と経営センスを持っているが、私生活では全然ダメで、よく明日奈に面倒をかけていた。父親が病に倒れ、大したことはなかったものの、それを機に実家が営んでいる会社を継ぐ事を決意し、店を畳む。明日奈とは高校時代からの先輩後輩。付き合ってるようないないような中途半端な関係を長らく続けていた。容姿はよくみるとけっこうイケ面なのだが、迷彩でもしているのかと疑われるほど何故か女性には滅多に気づかれない。
 生:1971/3/22  30歳  T:188 W:77

◆フリーダ・ライチェ◆ ――第九幕一日目M 初出
 ラインの乙女最後の四姉妹の次女。リーエの姉にあたる人物。RWIS備品番号M−94。分類名称【リコイルレス・バラッド】
 リーエが評するところの虫けら。容姿的にはほぼリーエ・リーフェンシュタールに類似。物静かで深窓の令嬢といった風情の少女。あからさまではないものの、喜怒哀楽も豊かで控えめながら表情もクルクルと変わりやすい。照れ屋。なにをやっても器用にこなす完璧超人。妹のリーエが可愛くて仕方がないのだが、当のリーエからは邪険にされがち。
 現在はロンドンでオカルト系とミリタリー系雑誌のフリーライターをやっている。
 生:1942/6/1  59歳  T:155 W:42  B:83 W:53 H:80

◆リーエ・リーフェンシュタール◆ ――幕間ノ二「London Night」 初出
 ラインの乙女最後の四姉妹の三女。相沢夫婦のもとで住み込みの弟子をしているドイツ系の少女。佐祐理たちの先輩に当たる。普段からアンティーク人形のように無表情で、偶に浮かべるものと来たら哀れみ、蔑み、嘲笑、冷笑とくる。口を開けば嫌味に文句、罵詈雑言が飛び出す悪質な悪口遣い。悪気があって口にしているので処置がない。そしてネチネチと人をいびって苛めるのが好き。すなわち性格は最悪。
 生まれはドイツ。人間として生は受けず、現在も人間というわけではない。以前は英国の非公式魔術戦機関に所属し、対魔術師・対幻想生物・対魔法災厄作戦に従事していた。つまりは魔術師殺し、化け物殺しのプロフェッショナル。こと近接室内戦闘、市街戦闘ともなると、まともに戦るなら超一流の退魔師であり師匠でもある群青色であろうと一蹴できる実力。分類名称【リトル・バヨネット】
 15歳前後の金髪と翠瞳を持つ端整な容姿の少女。黒いゴシックドレスを如何なるときも好んで着ている。
 生:1942/6/1  59歳  T:153 W:42  B:81 W:52 H:82

◆リュクセンティナ・リンフェーフ◆ ――幕間ノ5 外記
 自称・華麗なる美少女怪盗。華麗・美少女・怪盗の全てに無理がある。オカルトアイテム専門の泥棒で、キラキラ輝く宝石好き。怪盗と言っても短気で不器用な為か、だいたい力押しで突破する……強盗と言った方が好しと思われ。バーニングハートという渾名もどちらかというと褒め言葉というより破壊魔に対する恨み節に近い。正義感が強く、他人の窮地を無視できないお人好し。単純なため、よく騙される事も多い。肝心なところで押しも弱いのでなあなあで利用もされやすい。オマケにおっちょこちょい。彼女が備え持つ戦闘スペックはこのSSでも間違いなく頂点部に位置するものの、当人が当人だけに……。
 とある事件から、世界各国の空軍関係者にレコンキスタドラグンと呼ばれある種の伝説となっている。
 燃え盛る炎のような真紅の髪、深い藍色の双眸、野性的な躍動感を滲ませている少女とも妙齢の女性とも取れる容姿の女性。赤揃えの衣装を好み、だいたいは真っ赤なパンツスーツを着こなしている。
 生:1876/8/18  24歳  T:166 W:56  B:88 W:58 H:82

(リゥ) 偉狼(ウェイラン) ――幕間ノ5 外記
 数年前、欧州の裏世界に現れて以来、一気に名をあげた何でも屋。別名、道化の魔王。常にふざけた態度でヘラヘラと軽薄な笑みを絶やさない、他人の癇を逆撫でるタイプ。それでいて、スルリと人の心の懐に潜り込む人懐っこさを併せ持っている。好奇心の塊でなんにでも興味を示すが、本当は感情が希薄で無感動症。興味を示すだけで情動の働かない自分の心を満足させてくれる、執着を抱かせてくれるものを探している。禁忌を持たず、善悪を区別する事に興味がなく、どんな善行も衒いなく行い、どんな悪行も平然と為す。現在のお気に入りは川澄舞。彼女の新雪のように純粋でありながら鋼のように強靭な心に惹かれ、今はその純白が如何様にして変色するかに興味を費やしている。女好き。
 糸目の他は特に目立った特徴を持たない中肉中背の、飄々とした雰囲気の青年。
 生:UNKNOWN  T:174 W:64

◆レネオノール・ライプツィッヒ・レルゲン◆ ――第九幕一日目M 初出
 ラインの乙女最後の四姉妹の四女。リーエの妹にあたる人物。RWIS備品番号M−98。分類名称【ノイズィ・マスケット】
 リーエが評するところのキ○ガイ。好奇心の塊で、一所に落ち着けない無軌道娘。平気で自分から危険の渦中に飛び込むので、リーエの評価もあながち間違ってはいない。
 天の川を塗したような綺麗な銀髪を短くザンバラにしている。透き通った大きなブルーの瞳、吸血鬼まがいの八重歯、端の釣りあがった口許という容姿の少女。見た目の年齢は14,5歳。
 現在は冒険家を名乗って世界中の遺跡秘境を巡っており、トレジャーハンターや傭兵まがいの事もしている。
 生:1942/6/4  59歳  T:153 W:43  B:83 W:51 H:79

渡辺(わたなべ) 木乃歌(このか) ――第六幕第12話 初出
 栞と真琴のクラスメイト。香村一子の幼馴染。この街でも古い家柄のお嬢様。大人しい顔をして毒舌系一言居士。結構イイ性格の持ち主。ドタバタ騒がしい一子と飄々と我関せずの木乃歌の二人はなかなか良いコンビ。11歳年上の彼氏がいる。
 艶やかな黒髪をおかっぱにした日本人形のような少女。飾りの多い裾のヒラヒラした衣服を好んできている。運動神経は皆無。
 生:1984/10/22  16歳  T:155 W:42  B:73 W:50 H:77

綿貫(わたぬき) 風花(ふーか) ――第九幕二日目C 初出
 月城漣率いる紫旗のメンバー。生まれも育ちもれっきとした日本人なのだが、妙な中華訛りが時折混じる。
 亜麻色の長い髪を後ろで結わえ、正面から見ると6本足のカニみたいに見える形にし、両手足首に赤ん坊の拳ほどの大きさの鈴を幾つもつけたブレスレッドを装着した、道服めいた袂の豊かな白い服を着た女性。
 生:1978/7/15  23歳  T:170 W:51  B:82 W:56 H:76



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