冬の早朝の清浄なる空気。
吸い込めば胸の中が透き通るような冷たい空気。
そんな空気に浸りもせずにかき乱し、徒競走さながらにひた走る二つの人影。
「うがぁー、三日連続遅刻は拙すぎだぁぁ!」
「ちゃんと起こしてよ祐一ぃ!」
「俺か? 俺が悪いのかぁ!?」
「そうだよ!」
「断言するな、この永久冬眠娘ぇ!」
まあ、これも毎度の事。
変わらぬ朝の情景である。
「おはよう」
ガラガラと教室の扉を開けて、足を踏み入れる。
そろそろ始業時間も迫り、教室の中はそれなりに生徒の数も揃い出している。
それでも冬の朝の教室の中は、まだ暖気が篭もりもしていなかった。
教室の隅で小さな石油ストーブが奮闘を続けているが、彼の努力が身を結ぶにはもう少し時間が必要だろう。
「暖房ぐらい入れて欲しいわよね、まったく」
様々な施設などは揃っているものの、こうした細やかな設備が行き届いていない学校の状況に文句を言いつつ、美坂香里は着ていたコートを脱いだ。
人の熱気もあって、寒さも我慢できないほどではなくなっている。
「うぃーっす、おはよう美坂」
「ああ、おはようって、どうしたの? 北川君」
やる気の無い挨拶に隣の席に目をやった香里は、机にへたり込んでいる北川を発見した。
ベタンと机に顔を貼り付けながら、ヘロヘロは声で言う。
「むう、腹減った」
「なによ、それ」
呆れた風に腰に手を置いた香里に、北川は力無い笑みを漏らして云う。
「いやな、朝飯食ってねえんだわ。それと晩飯もいつもの半分くらいしか食べてなかったから、ちとエネルギーが足りないみたいで」
「馬鹿ね、ちゃんと食べなさいよ。それともお金がなくなったとか?」
北川は横顔を机に貼り付けたまま顔を振ろうとして、鼻を机にぶつけてカエルのような呻きをあげた。
どうやら知能も低下しているらしい。
とりあえず鼻を抑えながら頭をもたげて答える。
「いや、お金はあるよ。うーん、理由はあれだ。安全保障対策? リスクマネージメント?」
「はぁ?」
「簡単に言うと、昼飯対策」
「昼食? お昼に何かある……わね」
香里は今朝の思い出したくも無い情景を思い出して、右手で顔を覆った。
それを見て、北川も引き攣った笑みを浮かべる。
「む、やっぱりか。対策立てといてよかったぜ。普通じゃ身がもたねえもんな」
自画自賛するように腕を組んで頷く北川を香里は哀れむような目で見つめた。
さっきから何について二人が語っているかと言えば、美坂妹こと美坂栞の事である。
「折角弁当作ってくれるってんだから、全部食べなきゃ申し訳ないしな」
北川はそう云って苦笑を浮かべる。
そう、今日は美坂栞が北川のためにお弁当を作って来てくれる日なのだ。
一度、栞の弁当大物量作戦と正面決戦を繰り広げた経験のある北川なので、無策のまま再び戦いへと突入するのは無謀を通り越して絶望に近いと正確に認識していた。
故に昨晩から食事量を控えて本日正午の決戦に備えていたのだ。
「残念ね」
ポツリと香里が呟いた。
何が? と間の抜けた顔で疑問符を浮かべる北川に、香里は虚無めいた笑みを浮かべ、云う。
「あれは人間一人が食べきれる量じゃないわ」
今日で北川君の顔も見納めか、と惜別の念を口ずさみ、香里は沈痛な面持ちで瞳を閉じた。
「ま、マヂですか? 美坂さん」
しろ〜くなっていく顔色の中で、青ざめた唇を震わして北川が問う。
香里は瞳を閉じたままおもむろに頷いた。
そして瞼を開き、ゆっくりと言葉を紡ぐ。
「昨日病院に云ったでしょ? その後、栞ってば何かあったのか帰ってから寝込んじゃったのよねぇ。それで、朝起きたらもう栞は起きててね…」
コクリと一度、息を飲み込み、香里は続けた。
「それはもう一心不乱にお弁当を作ってるのよ。それも何でか「ドナドナ」を歌いながらよ」
「ど、ドナドナ?」
鸚鵡返しに繰り返す北川に頷き返し、香里は人形のように無表情のまま続ける。
「そう、ドナドナ。しかも偶にブツブツと「忘れなきゃ忘れなきゃ」って混線したみたいに呟いてるのよ。もう怖くて声も掛けられなかったわ。お父さんってば『栞が壊れたぁ!』って泣きながら出勤するし、お母さんってば何故か一緒にドナドナ歌ってるしで、今日の美坂家の朝は阿鼻叫喚の異世界だったわ」
「そ、それはご愁傷様でした」
どこか遠くの方を眺めながら透き通った声で語る美坂香里に北川はビビリながら何とかお悔やみの言葉をひねり出した。
ふぅ、と意識を現世に戻すように溜息を吐いて、香里は視線を北川に戻し。
「兎も角、その調子であたしが家を出た時も、家にある食材片っ端から調理してたから…まあ、今ごろとんでもない量になってるでしょうねぇ」
「そ、そんな沢山どうやって持ってくる…」
「あの子に質量は関係無いわ」
「そ、そうなのか!?」
脳裏を過ぎるのは栞ちゃんの不思議ポケット。
ひ、否定できん。
タラタラと北川のこめかみを脂汗が流れ出す。
日常生活を送る上で、一番縁遠い予感……死の予感が北川を苛み始めた。
このままでは死ぬ……しかも喰いすぎで死ぬ。
つまり食料過剰摂取死……
『高校生、弁当の食いすぎで死亡!
少女の好意を断れぬ優柔不断さの末路!?』
三面記事としても面白すぎる、ちょっと死んでも死にきれない死に方だ。
「み、美坂ぁ〜」
保健所の檻の中から縋るように鳴く野良犬の如き哀れな声で名前を呼ばれ、香里は仕方なさそうに溜息を吐いた。
「はぁ、分かったわよ。あたしの妹の事だしね」
云いながら、前の席を見る。
もうすぐ予鈴が鳴るというのにまだ空のままの机が二つ。
「この時間まで来ないって事はいつもの寝坊ね。名雪もお弁当、作ってないでしょうし…とりあえず要員二人確保。後は相沢君の人脈から集めましょうか」
香里の呟きに予鈴の響きが重なる。
同時に壊さんばかりに開かれる扉。
「ま…にあ…ったぁぁ!」
「うん、到着だよ」
息も絶え絶えの祐一と、息も乱さず笑顔の名雪…いつもの二人の登場であった。
「遅刻で無いのは結構だが、浸ってないでさっさと座れ」
二人の背後に立った一限目の教師がペシペシと祐一の頭を出欠表で叩いた。
「わっと、はいはい」
さっさと恋人を見捨てて先を行く名雪と、頭を庇いながら後を追う祐一。
「ご苦労様ね」
苦笑を浮かべ、北川と顔を見合わせた香里は、さっさと自分の席へと腰掛けた。
さてさて、冬も頑張る我らがお日様が澄み切った空を頂上まで登り切るほどに時間も経過。
俗に云うお昼時である。
昨日別れ際に云われた通り、北川はお日様の激闘を繰り広げる寒風の吹き荒ぶ中庭へと足を伸ばした。
「あ、北川さん、待ってましたよ」
ストールを羽織った少女、美坂栞がこちらに気付き、フワリと笑みを浮かべる。
その笑顔にイッてしまっている兆候は無い。
どうやら今朝、彼女が発していた怨気の方は、弁当作製に全部つぎ込んで発散したらしく、全て霧散してるようであった。
有る意味、栞の弁当は真心ならぬ邪気が込められた弁当と云う訳だ。
「や、やあ、栞ちゃん」
ちょっとどもりながらも北川は歩き寄りながら、彼女が持っているだろう弁当軍団を視線で探るが見当たらない。
キョロキョロとしている北川を他所に、栞はニコニコと何処からともなく取り出した大きなシートを広げた。
「うふふ、お腹すきました? じゃあ、早速ですけど…」
云いながら、ヒョイっと栞はいつの間にか手に持っていた五段重ねの重箱を置いて並べ始める。
な、なかったぞ…絶対どこにもそんなもの持ってなかったぞ!
ダラダラと冷汗を垂らす北川に、栞は小首を傾げた。
「どうしてんですか? 北川さん」
「あ、う」
「あ、大丈夫ですよ。まだまだありますからね〜よいしょ」
最後の掛け声とともに、ニュイっと飛び出る重箱軍団。
「さあ、どうぞ召し上がれ」
「あほか!」
ボカン!
「あいたっ!?」
いきなり頭上に落下した拳骨の衝撃に、栞は悲鳴をあげた。
「お、お姉ちゃん? なんで?」
唐突に現れた我が姉に錯乱気味の妹に、頭痛を抑えるように瞼を閉じながら香里は云った。
「なんで? じゃないわよ! 何よこれは!?」
「何って、私が北川さんに作ったお弁当です」
ゴツン!
「ッイタ!? ま、また殴ったぁ」
「殴るわよ。幾らなんでもこれは多すぎよ!」
そう怒鳴り、香里はビシリとそれを指差した。
地面に広げられたシート一面に置かれた重箱およそ20個強。
お昼のお弁当というより、花見の宴会用の料理群と云った風情。
公園で北川が食べた弁当を一個旅団に換算すれば、こちらはさながら弁当一個軍集団。
「大丈夫ですよ! ね、北川さん、食べてくれますよね」
北川は無言で栞の前に立つと、おもむろに握った拳を落とした。
ゴチン!
「はうぁ!? き、北川さんまでぇぇ!」
「幾ら何でも一人でなんてムチャすぎだぁぁ!! もしかして殺る気なのか? 殺る気なのか!?」
ちょっぴり、この少女に自分への殺意を感じたような気がして、北川君ちょっと必死。
ここまでやられりゃ優柔不断もクソもない。
「えぅぅ、折角作ったのにぃ」
ちょっぴり涙眼の妹に、香里は深々と溜息をついた。
「まったく、仕方ないんだから……名雪、相沢君」
カムヒア、とばかりに手首をスナップ。
云われて飛び出るカエル少女とそのお供。
「ケロピーはカエルだけど、私はカエルじゃないよ〜」
「何云ってんだ? お前」
いきなり虚空に訴えかける名雪にクエスチョンマークを浮かべながらも、祐一はズラリと並んだ弁当を呆れた様に眺めやった。
「栞、栞、しばらくご相伴に与って無い間に随分とレベルアップしたな」
「へへ、頑張りましたぁ」
「褒めてない褒めてない」
照れる妹にパタパタと手を振る姉。
「ちょっと…これは私食べきれないよ」
「オレも備えはしてたんだが、これは流石に…」
「えぅぅ」
「うむ、案ずるな皆の衆。ちゃんと助っ人は呼んであるぞ。出でよ、食の鉄人たちよ〜」
マントでも翻すように手を振りながら、どこぞの怪しい司会者の如く叫ぶ祐一。
そして何処からともなく…というか、校舎の中から現れる三人の人影。
「あははー、呼ばれて飛び出てジャジャジャジャーンですよー」
「……じゃーん?」
「…………」
ノリノリの人が一人。
事態が良く分かって無い人が一人。
何故来てしまったんだろうと後悔してるのが一人。
名前を明らかにするところの倉田佐祐理・川澄舞・天野美汐の三名である。
「うむ、良く来てくれた皆の衆」
満足そうに頷いている祐一にスタスタと近づいた香里は、前置き無しで拳を唸らせた。
バキン!
「ぐぎゃぁ!? な、何しやがる香里!」
「アンタの知り合いは女ばっかりかぁ!」
「悪いか!」
「悪いわ! 他なら兎も角、弁当処理よ!? 女の子呼んでどうするのよ!?」
叫ぶ香里にフンと勝ち誇ったように祐一は笑った。
そして指差す。
「ふふ、馬鹿にするなよ。この相沢祐一に抜かりなし、見ろ!」
「……(ダラダラ)」
いつもなら既に昼食突入時間。
さながらおあずけを喰らっているような状態。
で、目の前に並ぶ食料の大群を発見して、ダラダラと涎を垂らす女が一人。
「どうだ、この飢えきった様は! まるで餌を前にした狼のようじゃないかぁ!」
「…祐一」
「ん? なんだ、舞?」
「凄く失礼!」
ゲシゲシゲシ
「ガガガッ、ま、待て舞、本気チョップは痛い痛い!?」
「あははー、舞ってば的を得た表現に照れてますよーっ」
「何気に倉田先輩も酷い事言ってるね」
さっさと座り込んで、イチゴが無いかを探しながら名雪が呟く。
「私…自分のお弁当持ってきてるんですけど」
「どうせなら此処で一緒に食べましょうよ」
ニコニコ笑って云う栞に、「寒いからイヤ」とは云えない美汐嬢。仕方なさげに小さく吐息をつき、コクリと頷いていそいそとシートの上に座り込む。
「ほら、相沢君、川澄先輩も、昼休み終ってしまいますよ」
「そりゃ拙い、行くぞ舞」
「食べていいの?」
「おう、好きなだけ喰え」
「……(じゅる)」
「お、おのれ、助けを求めたのはオレだが、オレのために作ってくれたんだからオレが一番喰わんと何か悔しいぞ!」
一斉に、物凄い勢いで弁当を掻き込み始める、祐一、舞、北川の三名。
名雪と佐祐理もさっさと自分の分を確保して、何か談笑しながら食事を開始した。
栞と美汐も何やら箸の合間に互いの弁当の品について語り合いながら食事を勧めていく。
香里は漸く始まった昼食を、どこか虚脱気味にぼんやりと見ながら、思い出したように呟いた。
「……そういえば、これって全部美坂家の家計から出てるのよねぇ」
豪華絢爛、選り取りみどりの宴会料理さながらの弁当群。
それを加減など微塵も見せずに次々と蹴散らしていく三人の飢えた青少年・少女。
名雪と佐祐理もまた、遠慮も無く箸を運んでいく…何気に高い食材ばかりに見えるのは気のせいだろうか。
「…ああ、何となく家の生活費が食い潰されて行くように見えるわ」
そして、それは全くの事実そのままであった。
美坂家一週間分以上の食費が、凄い勢いで消えていく。
ちょっと眩暈がグルグルと。
「ま、拙いわ」
ヨロヨロとどこか虚ろに弁当の前に座った美坂香里は、いつもにも増す速度でおかずを確保し始めた。
同じ美坂家の自分が頑張って食べれば、元は取れるという哀れな考えに捕らわれた美坂香里。
その代償は三日後のお風呂上りの体重計で露わとなるのだが、それはまた別のお話。
トポトポトポ
「粗茶ですが」
栞が出した紙コップに美汐が持参していたお茶を注いで全員に渡す。
真っ白な湯気が立ち昇り、熱いお茶がコップを握る手から暖めてくれる。
「喰った」
「おお、死ぬほど喰ったぞ」
「…満足」
「……けふ」
上から北川・祐一・舞・香里である。
ちなみに量に換算すると、北川が六箱、祐一が五箱、舞が四箱、香里が二箱、残りを栞、佐祐理、名雪が一箱ずつ片付けた。
美汐は自分のお弁当で手一杯…美味しそうなオカズはチマチマと摘んではいたが。
北川が一番なのは、やはり前日からの備えが効いたと思われる。
「「ごちそうさまでした」」
北川と舞がピタリと両手を合わせ、栞に向かって唱和。
「はい♪ お粗末さまでした」
北川のために作ってきた訳で、みんなに食べてもらう事になったのは微妙に不満だった栞だが、今は嬉しそうに応えを返す。
やはりこれほど喰いッぷりも良く食べてもらえれば嬉しいものだ。
「そういや、栞はもう帰るのか?」
「はい、授業には出ませんし」
祐一の問いになんのてらいも無く応える栞。
そんだけ元気なら出ろよ、と思う面々。口には出さない。
「それじゃあさ、うちの家の方に顔出してくれないか?」
「どうしてです?」
「いやさ、真琴のヤツ、今家で一人だから暇してるだろうと思って、良ければ相手してやってくれないかと思って」
「ああ、真琴ちゃん怪我したんでしたっけね。それじゃあどこにも行けないでしょうし…いいですよ。私も暇でしたし」
「真琴…怪我をしたのですか?」
押し詰めたような声で割り込んできたのは天野美汐。
彼女だけでなく、真琴の怪我を知らなかった舞と佐祐理も心配そうに祐一を見ていた。
「いや、ちょっと捻挫しただけだ。二、三日安静にしとけばすぐ治るってさ。あ、天野も学校終ったら顔出してやってくれないか? 俺と名雪、ちょっと帰りが遅れるんだ。栞と真琴だけじゃ不安だし」
「はい、わかりました」
「祐一さん、それどういう意味ですか?」
「言葉通りでしょ」
ぶーぶー、とブーイングする栞に香里が呆れた様に言う。
「祐一さん、名雪さんとお出かけってデートですか?」
ニコニコとお茶を啜っていた佐祐理がポイと言葉を投げかけた。
祐一はヒョイっと肩を竦める。
「残念ながら違いますよ。明日、秋子さんが退院するんですよ。で、退院記念パーティーをやろうって事になりまして、それでそれ用の買出しです。俺は荷物持ち」
「そうか、水瀬のお母さん退院か。そりゃ良かったな」
「はい、それはおめでたいですねぇ」
「…良かった」
北川が一瞬だけどこか思い出すように目を細め、それからウンウンと腕組みをして良かった良かったと頷く。
そして、両手をピタリと合わせて微笑む佐祐理に、名雪をスっと見定めて頷きかける舞。
それに嬉しそうに微笑み返した名雪が思いついたように云った。
「あ、そうだ。折角ですから、倉田先輩と川澄先輩も来ませんか? 北川君も」
「良いんですか?」
「…料理出る?」
「オレも?」
「ええ、是非………北川君も」
今微妙にオマケっぽかったよな、と呟く北川を他所に、佐祐理と舞は顔を見合わせた。
「じゃあお邪魔しよっか、舞」
「はちみつくまさん」
「お前らも来るよな」
祐一は美坂姉妹&美汐に問いかける。
ちょっと考え込む美汐に栞がニコリと笑いかけた。
「真琴ちゃんもいますし、行きましょうよ」
「そうですね、では」
「ま、そう言う事で、ね」
みんな行くらしいわよ、と眼差しで云う香里に、おう、と祐一も頷き返す。
「あ、そういえばあゆさんは?」
「ああ、アイツもついでに一時外出認めてもらってるよ」
「そうですかぁ」
嬉しそうに、栞は笑った。
その頃病院では―――
「あ〜る〜晴れた、ひ〜る下がり、い〜ち〜ば〜へ、続〜く道ぃ〜ウグゥゥ!」
未だベッドの上で歌いうなされ続ける月宮あゆの姿があった。
一体何があったんだ、あゆあゆ!?
果してこの惨状に一時退院は認められるのか、あゆあゆ!?
というか明日までに回復するのか、あゆあゆぅ!?
明日はぁ〜どぉっちだぁ〜
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