魔法戦国群星伝





ものみヶ原――

グエンディーナ大陸北西地域の中原に位置し、交通の要衝でもあるこの平原は、過去二度にわたりカノン皇国の行方を左右する会戦の場となっている。

一度目は盟約暦881年――カノン皇国の建国を決定づけた戦い。

二度目は盟約暦1092年――即位間もない美坂香里を皇王の座から引き摺り下ろさんと蜂起した叛乱軍の主力を水瀬秋子公爵が撃滅した戦い。

そして盟約暦1095年――三度目の戦いはカノン皇国そのものの存亡を賭ける事となった。

三華大戦最大の激戦……後世、第三次ものみヶ原会戦の名で呼ばれる事になる戦いが目前と迫っていた。




< 第十五話  勃発 ものみヶ原会戦 >






水瀬公爵軍と柳川軍団の激突より二日後


カノン皇国中部  ものみヶ原

カラリと晴れた空にはポツリポツリと綿毛のような雲が浮かんでいる。
未明にかけてものみヶ原を飲み込んでいた霧は既に姿を消していた。
東の空に漸く顔を覗かせた太陽が、兵気渦巻く平原を照らしだしている。

颯爽と馬に跨り、駆け足で皇帝旗の立ち並ぶ山へと駆け上った金髪の美女は、手綱を引き馬を止めると、眼下に広がる光景を一望し、思わず感嘆の声を漏らした。

「グレイト 壮観ネ!!」

東鳩帝国軍遊撃銃兵部隊「猟犬(ヤクート・フント)」隊長 宮内レミィは馬から飛び降り二・三歩前に進むと、目の前にある全ての光景を抱き締めるかのように両腕を大きく広げた。

レミィの言葉通り、その情景は壮観としか表現のしようがなかった。

周囲を小高い山に囲まれた平原―ものみヶ原は今、人によって覆われていた。
赤・青・黒と様々な旗が棚引き、整列している。

総勢十五万……それがものみヶ原に集結した人間の数だった。

数千年に及ぶグエンディーナ大陸の歴史の流れの中でも、これほどの大軍が一同に会したことはない。

後世にその名を残す「ものみヶ原会戦」が、今まさに始まりの時を迎えようとしている。

だが、未だ戦端は開かれず、戦場は嵐の前の静けさの様相を呈していた。
大都市と形成すると同じ規模の人数がいるはずでありながら、ものみヶ原は静寂に包まれている。
それは、ここに揃った十五万の軍勢の多くが、訓練され尽くした精鋭揃いである事を示している。
まさに大陸最大の激戦と言われる事となる三華大戦の帰趨を決める戦いに相応しい陣容を両軍とも揃えていた。




ものみヶ原西側に布陣したカノン皇国軍七万三〇〇〇。概容は

最前線の北部側に倉田佐祐理、一弥率いる倉田軍三万

最前線中央部がカノン西部・南部地域混成軍一万五〇〇〇

最前線南部に久瀬俊平の久瀬侯爵軍五〇〇〇

これら最前線を援護するように水瀬名雪の独立魔導銃兵隊三〇〇〇が後方に展開。

戦況に応じて投入される待機戦力である予備軍として、川澄舞の打撃騎士団(ストライク・ナイツ)八〇〇〇が北部後方に。

同様の予備軍 相沢祐一の九〇〇〇が南部後方に

そして大将である美坂香里とそれを守護する北川潤の近衛騎士団二〇〇〇が中部後方に展開している。



対して、ものみヶ原東側に布陣した東鳩帝国八万六〇〇〇。

最前線北部に佐藤雅史率いる近衛兵団三万。

さらに北から矢島軍八〇〇〇、橋本軍六〇〇〇、岡田軍五〇〇〇が並んでいる。

そして名雪の独立魔導銃兵隊と同様の銃兵部隊である宮内遊撃銃兵部隊「猟犬(ヤクート・フント)」五〇〇〇が布陣。

予備軍として保科軍二万と、浩之の皇帝直属軍一万、神岸あかりの鉄熊兵部隊二〇〇〇が控えている。



開戦を前に、独り浩之から呼び出されたレミィは、暫くものみヶ原全体を望みながら暫く歓声を上げていたが、満足したのか漸く本陣へと入っていった。
だが、一歩陣幕へと踏み入ったレミィは気圧されたようにその場に足を止めた。
そこには独りの青年が、大仰な造りの剣―聖剣『エクストリーム』を眼前に立て、じっと眼を閉じて座っていた。
気配を感じたのか、青年の眼がゆっくりと開かれる。

その青年の眼を見たレミィの背筋が震えた。自然と口元に笑みが浮かぶ。

東鳩帝国の若き覇王『英雄帝(デアヘルト・カイザー)』藤田浩之

吊りあがった目元…仲間からも目付きが悪いと酷評される彼の眼は、普段は気だるげな、それでいながら子供のような輝きを宿している。
だが、今その瞳は底冷えする冷たさと、燃え上がるような熱さ……さながら制御された狂気とでも言うような戦意を湛えていた。

そう…彼は帰ってきたのだ。
故郷たる戦場へと……





「ハイ、ヒロユキ。来たヨ〜」

一瞬前に感じた高揚を微塵も見せずにレミィはにこやかに手を振りながら浩之に歩み寄る。

「よお、レミィ。随分騒いでたな」

「アレ、聞こえてたノ?」

「あれだけ騒いでたらな」

「アハハ、いい眺めだったヨ〜。で? なんの用事ナノ?」

まるでお使いでも頼まれるかのような軽い調子のレミィ。

浩之は、彼女の普段と変わらぬ様子に苦笑を浮かべながらクイクイっと手招きをすると、レミィの耳元でなにやらゴニョゴニョと囁いた。

「どうだ? 出来るか?」

「ウン、OKヨ。でも、ヒロユキとんでもないこと考えるネ?」

「そうか? でも有効だろ?」

「ベリ〜ベリ〜有効ネ。技アリイッポンヨ。この作戦は皆には?」

「もちろん伝えておく。相手が崩れたらすかさず押し出さねーといけないからな」

「うん、それがグッドヨ。じゃあ「猟犬(ヤクート・フント)」はシンディに任せるネ?」

「ああ、じゃあ頼むな」

「頑張るネー」

戦局を左右しかねない重要な任務を受けて上機嫌で出て行くレミィを見送った浩之は、陣幕を出ると戦場となるはずの平原を見下ろす。
そこには野心を抱え込んだ者だけが持つ、獰猛な笑みが浮かんでいた。

「滅び逝く国の最後の舞台としては、なかなかのもんじゃねえか…なあ、カノン」





――――1時間後


ものみヶ原  矢島機動騎士団

帝国機動騎士団の長 矢島忠広は、その姿を完全に現した太陽に手を翳し、眩しげに仰いだ。
視線を大地へと戻し新編成された自分の部隊を見渡す。そして満足気に頷いた。

「時間です」

傍らで囁く側近をチラリと見やり前方に棚引くカノンの旗を睨む。

前回、彼と彼の部隊を完全に撃滅した水瀬公爵軍の姿はそこには無い。
その事実に安堵している自分を冷笑する。

俺も腑抜けたもんだ。
だが構わないさ。あの化け物以外とならどんな敵とだって戦ってやる。

矢島はゆっくりと右手を振り上げ、そして叫んだ。

前進(マーチ)!!」

矢島の号令と共に矢島機動騎士団が突撃を開始する。

同時に右翼の近衛兵団、左翼の橋本・岡田軍も前進を開始した。

三華大戦最大の戦いとされる「ものみヶ原会戦」は、今この時を以って開幕した。




ものみヶ原  倉田勢

「始まった」

倉田軍三万の指揮を取る倉田公爵家次期総領 倉田一弥は小さく口の中で呟いた。
乾ききった口内が不快感を催す。
少年はチラリと横目で尊敬する姉を見た。

呆れた事に、彼女はニコニコと笑みを振り撒いていた。

それは楽しそうに。

最も、普段から楽しそうな人なので、別に戦闘自体を楽しんでいる訳ではないだろうが。
ともあれ、この後に及んで普段と変わらずに居られる姉に、一弥は尊敬の念を深くした。


姉さまが倉田家を継げば良いのに…。


常より抱いていた思いが湧きあがる。

今回、倉田佐祐理は次期総領である倉田一弥の補佐役としてこの場に居る。
一弥は全てにおいて天才的な才能を有する自分の姉を差し置いて、この大事な場面で軍の総指揮を握る事に疑問を感じていた。
自分が倉田公爵家の後継者であるというだけで。

最も、彼は自分もまたその天才の弟であるという事実に気が付いていなかった。

彼の非凡さは、彼を常に可愛がっている佐祐理が一番よく理解している。
無能な者に大事な戦を任せる程、倉田佐祐理はバカではない。
彼女にとって、この戦は可愛い弟の表舞台への大々的なデビュー戦なのだ。


事実、天才少女の影に隠れた若き将の名は、この戦いにより一気に知れ渡る事となる。





少年が思考の海を漂っていた間に敵隊列の姿が近づいてきていた。

「姉さま」

敵軍との距離が100メートル程に近づくと、姉に同意を求めるように目を向けた。
佐祐理は笑みを湛えたまま、頷いて見せる。

「あはは〜、一弥、自分の判断に自信を持っていいよ」

「…はい」

迷っていても仕方ない。姉さまに恥じぬ戦いを!

力強く頷いた一弥はキリリと表情を引き締めると、その小柄な体に似合わぬ戦場を圧するような大音響で命令を発した。

「放て!!」

千を超える光芒がきらめき轟音が鳴り響く、銃弾は大気を切り裂き敵軍へと襲い掛かる。
時を経ずして中央・右翼からも同様の銃声が鳴り響いた。
十数名の帝国兵が吹き飛ばされ大地に倒れる。

膝立ちで構えて銃を放った兵が後ろに下がると同時に、立った状態で銃を構えていた兵の列が一歩前に進み膝を着き引き金を引いた。

文字で記すと長く見えるが、実際は僅か数秒の事である。
さすがに一〇〇〇単位の兵士が一斉に動いている訳ではないが、数十から一〇〇単位のグループがそれぞれ流れるように動き、一斉射撃を見舞う。
途切れる事の無い銃撃の嵐が帝国軍に襲いかかった。
堪らず帝国軍も前進を止め、鉄砲隊を出して応戦してくる。

ものみヶ原会戦の緒戦はマスケット銃の最大有効射程100メートルを介した銃撃戦の様相を呈していた。





ものみヶ原  帝国近衛兵団

「前進できないのかい?」

耳元を銃弾が掠めるような最前線でありながら、帝国軍近衛兵団長 佐藤雅史は平然と涼しい顔で前方を見つめている。
問い掛けられた傍らの幕僚は難しい顔をしながら答えた。

「敵は予想以上に銃の数を揃えていたようです。無策に前進すれば、敵に当たる前に相当数を減らされます」

「うん、ここで数を減らされるのは得策ではないからね」

同意を示した雅史は視線を後ろに送った。

「そうなると彼女たちの出番だ」

雅史が言ったとたん、後方に展開した部隊に光芒が煌めく。同時にカノン軍の兵士が百単位でバタバタと吹き飛んだ。

流石に判断が早いな。

満足そうに頷いた雅史は素早く命令を発した。

「三斉射のちに全軍突撃を再開せよ!!」





ものみヶ原  倉田勢

「まさか!?」

味方が多数いきなり吹き飛ぶ光景を目の当たりにした一弥は驚きの声を上げた。

敵銃兵の発砲は明らかに敵最前線より後方に位置する小高い丘に展開している部隊からのものだった。
確かにものみヶ原は端にいくほど斜面となっている上に、彼の部隊は丘という高台に布陣しているため射線は確保できているが、距離が五〇〇メートルは離れている。
通常のマスケット銃では銃弾が届かないはずだった。


「あの部隊は多分『猟犬(ヤクート・フント)』だよ」

「『猟犬(ヤクート・フント)』!? あの銃兵隊の武装を長距離銃だけに統一して編成された部隊ですか?」

姉の出した名前に聞き覚えのあった一弥は思わず聞き返した。

馬面研究室こと長瀬源五郎率いる長瀬工房で開発された長距離射程銃「フェルスノーン」は、通常のマスケット銃の射程距離を飛躍的に伸ばす事に成功したと防諜局からの情報がもたらされていた。
その最新兵器を『猟犬(ヤクート・フント)』は完全装備していると聞いている。

彼の部隊なら確かに後方からの支援銃撃は十分に可能なはずだ。
いや、それだけじゃない。あの長距離に加えて射撃精度の甘いという話のフェルスノーンで正確に此方を撃ち抜く技量……とんでもない部隊だ。

「ふぇ、一弥前を見て!」

佐祐理の声にハッと面を上げた一弥は敵軍が再度突撃を開始しているのを確認した。

速い!

一弥は素晴らしい速さで突進してくる近衛兵団に内心で感嘆した。
どうやら疾風の名は戦略機動だけでなく戦術運動をも現しているらしい。それに指揮官の判断速度も…
一弥はざっと周囲を見渡し目元を引き攣らせた。
味方は『猟犬(ヤクート・フント)』からの銃撃に動揺しており、十分な弾幕が張れていない。

いけない! これじゃあ突撃を阻止できないっ!!

状況を立て直している暇はなかった。
一弥は内心罵声を上げながら弾幕による突撃阻止を断念すると再び叫んだ。

「くっ!! 全鉄砲隊一斉射後後退! 槍隊前へ!!」

最前列で銃撃を繰り返していた銃兵隊が後方に下がり、5メートル近い長大な槍を構えた槍兵たちが前に出る。
そして横一列に並び突進してくる敵との距離をじっと見計らっていた一弥は叫んだ。

「叩け!!」

佐祐理の表情にかすかに称賛の色が浮かぶ。

振り上げられた槍の列は、その号令で一斉に振り下ろされた。
槍の穂先の滝は、寸分違わぬタイミングで敵隊列に襲い掛かる。
兜を叩き潰す鈍い打撃音や、身体を切り裂く斬撃音が各所で鳴り響く。
噴きあがる怒号と悲鳴。

「負けるな! こちらも叩け!」

東鳩近衛兵団からも攻撃命令が出され、壮絶な槍の応酬が始まる。




同様の光景が前線の各所で繰り広げられ始めていた。



 第16話に続く!!








  あとがき風解説

八岐「どうも、いくらどつかれても復活するゾンビィ八岐です。
なんとか題名に含まれる戦国らしい合戦を始める事ができました」

祐一「(ちょっと最近暴れすぎでお疲れ気味)まあ15万とは大盤振る舞いだな」

八岐「モデルは勿論関ヶ原合戦!」

祐一「どこらへんが?」

八岐「……どこだろう?」

祐一「おひ」

八岐「ナハハ」

祐一「……しっかし佐祐理さんの弟まで出して、亡くなってたんじゃなかったのか?」

八岐「ちゃんと十二話で名前出てたでしょ」

祐一「いや、俺が言いたいのはもう見境無く人出しまくって大丈夫なのかって話だ。収拾が着くのか?」

八岐「ヤバイっすねぇ」

祐一「それに矢島に勝手に名前つけてるし」

八岐「そういや久瀬にも着けちゃいました。どうも語呂的に名前欲しかったんだわ。
勝手に作るのは許せんという方すみません。名前にはなんの由来も根拠も無いのでそこのところは宜しく」

祐一「よろしくって……いいのかなあ。いいのかと言えば…何? 最初のアレ…叛乱軍って。また設定増やしてるんじゃないのか?」

八岐「増えてるというか、結構最初からあったというか。一応、香里が即位した時にゴタゴタがあったてな話があるんですよ。秋子さんの勇名はこの時に広まったってな設定も」

祐一「設定ばっかり増やすと後で困るんでないかい?」

八岐「肝に命じておきます。さて、唐突ですがこっからは本編の補足みたいのを始めたいと思います。
という訳でまた先生を呼んでお願いしようかと」

祐一「……ほんと〜に唐突だ」

八岐「うるせっ。さて今回はこの人をお呼びしました。せんせ〜」

雪見「こんにちは みんなの恋人 深山雪見よ。よろしくね」

祐一「…なるほど、みんなという事は誰か一人の恋人じゃないわけだ」

雪見「相沢君? それはどういう意味かしら?(ニコッ)」

祐一「イエ…ナンデモアリマセン」

八岐「(こいつは毎回一言多いんだよな)あの雪見さん…そろそろ」

雪見「はいはい、分かりました。本編の補足ね……ねえ、本編でちゃんと書いてれば補足なんてしなくていいんじゃないの?」

八岐「もっともな意見ですけど、出番…無くなりますよ」

雪見「それでは早速始めましょうか」

祐一(どいつもこいつも出番って言葉に弱いなぁ。なさけない)

八岐(君が言うかね、君が)

雪見「さて、この作品では題名に「戦国」とあるとおり、日本の戦国時代の技術レベルとなっております。
とはいえ、魔法・魔術またその他の要素があるために、完全に時代レベルがそうだと言うわけではありません。あくまで戦場での話です(現に写真や大統領制度などが存在してますし)。
最もその戦場でも戦国そのままとはいかないけどね、帝国の長瀬工房とかが技術レベル無視した新兵器なんか開発してるし。
まあ例外ばかり言い募っても話は進まないので、あくまで本作の一般的な戦闘について話しましょう。
主に配備される兵科としては、銃兵・弓兵・槍兵・騎兵・魔術兵です。
この内、魔術兵に関しては戦場の主役となり得ないということは以前、倉田女史の解説で軽く触れたそうなので省きます。
他の兵科ですが、騎兵と弓兵もまたあまり活躍しません。弓兵はより効果の大きい銃兵の多数配備により徐々に数を減らしていましたし、騎兵に関しては問題になりません」

祐一「? どうして騎兵はダメなんですか?」

雪見「あくまで本作が日本の戦国をモデルとしているためよ。グエンディーナ大陸は日本と同様に起伏にとんだ地形をしてるから、大規模な騎兵戦を行えるような土地環境じゃないのよ。
自然、騎兵は発達しなかったし、馬自体も騎兵戦に耐えれるような体力も馬格もないしね。戦国時代の馬が現代のポニー種より小さかったという話は聞いた事ない?
まあ騎乗士として多少は配備されてるけど、戦場の主役とはなり得ないわ。勿論これも使い方次第なのは確かよ、効果的な場面で使用すれば絶大な力を発揮するわ。その効果的な場面を見極めるのは難しいけどね」

祐一「へ〜」

雪見「通常の合戦は今回のようにまず距離をおいての銃撃戦がメインとなるわけね。状況によってはそれだけで片方が崩れて勝敗がつく事もあるし、接近戦になって槍戦になる事もある」

祐一「槍戦ってのは?」

雪見「文字通り槍同士の戦いよ。それぞれの一般兵が横一列に並んで、5メートルから6メートルの長い槍―長柄とか言うらしいわね―でもって相手の槍兵とバコバコ叩き合うのよ。
やられた人数を補充できなくなるか、士気が崩れて隊列が崩壊するまで続くわね」

祐一「キツイねえ、それは」

雪見「言い忘れてたけど、彼の有名な三段射撃は当たり前のように行われてるわよ。っとこんなところでいいかしら?」

八岐「ありがとうございました。内容が変だとか、それは違うだろうというような個所があったとしても、それは所詮大した知識も無い私―八岐の責任ですのでご了承ください」

祐一「まあ、当たり前だよな」

八岐「次回は第16話『魔弾の射手』…ものみヶ原合戦編暫く続きます」

祐一「何話ぐらい?」

八岐「……いっぱい」

祐一「おひ」
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