仮面戦記KANON 第六話「暴風雪 降魔咆哮」
風が吹いていた。二月と言ってもやはりまだ寒い。
屋上には二人の少年が居た。
昼休み同様ユプシロンは壁に寄りかかり、エプシロンは彼の隣で片膝を抱えこんだ体勢のまま座っている。
唯一違う点はエプシロンの隣に馬鹿でかいアタッシュケースが置いてあると言う点だった。
「それが、お前の言ってたアレ≠ゥ」
「その通り。これが対マスキーレン用の必殺兵器」
奇妙な程大きい銀色のアタッシュケースに視線を向けてユプシロンが問いかけてくる。
ぽんぽん、と大事そうに笑顔でアタッシュケースを叩くエプシロン。
それを聞いたユプシロンは訝しげな表情になった。
「そんな玩具が?」
それを聞いたエプシロンは表情を曇らせた。
「君のブリューナク≠竍グングニル≠セって同じようなものじゃないか」
「まあ、確かにそうかもな」
ユプシロンは素直に肯定すると、腕時計に視線をやった。
そして、顔を上げマスカレイドを発動させた。
フゥー、と長く息を吐き、続けてエプシロンもマスカレイドを発動させた。
立ち上がると彼の隣にいるユプシロンに視線を送る。
ユプシロンは空を見上げた。
空には雲が無数に浮かび、雲と雲との隙間からは青空が覗いている。
相変わらずに風は吹き雲は足早に流れる。
「時間だ」
「了解」
短く答えるとエプシロンはポケットの中から黒い箱を取り出し言葉を紡ぐ。
「誘え、真に迷う者達を」
黒い箱が薄紫いろの光を帯び、蓋の部分が徐々に持ち上がる始める。
「彷徨え、夢に踊る者達よ」
透き通った声が屋上に響き渡る。
光はどんどん濃くなり、それに呼応するように蓋が持ち上がっていく。
まるでエプシロンの一言一言が呪文であるかのように。
「我が手に白き虚像を写し、我が目に黒き偶像を」
蓋が完全に開き、紫色の光が箱の内部に流れ込む。
箱の中で宝玉が光を吸収していた。
「…空間形成開始。…空間俳除開始」
景色がぐにゃり、と歪曲する。
「擬似空間形成完了。空間侵食開始」
宝玉の中から光の文字が溢れ出し、まるで踊るかのようにエプシロンの周りをぐるぐる回っている。文字は次々と形を変えて行き、その
度に光量を増加させていく。
文字がピタリ、と静止した。
そして今度は回りながら、光を増して行きエプシロンの周りから離れていく。
「空間侵食完了。ハーメット#ュ動」
光の文字が景色の中に溶けて行き、結界が展開された。
# # #
タッタッタッタッ―
軽快な音が祐一の耳に入る。
「――ッ!」
祐一は突然急停止をかけた。
全力疾走では無いにしても、それなりにスピードが出ていた所為で前に少しだけつんのめる。
「……なんだ?」
辺りをきょろきょろと見回す。
周りの空気が変わった。何がどう変わったか具体的にはよく分からないが、今確かに自分のいる空間は異質の場所であると言う事を祐一はなんとなく直感した。
「おっと、止まってる暇は無いんだった」
また走るのを再開した。
先程栞が居る筈の教室に足を運んでみたが、そこには既に彼女の姿は無かった。
話によると昼休みから居ないらしい。
祐一には一つだけ栞の居場所に心当たりがあった。
走りながらその場所の位置を脳内で確認する。
―あった!
重く頑丈そうな扉が祐一の目の前にあった。この扉の先に有るのは中庭。
居てくれよぉ
両手で鉄の扉を開く。
祐一の目に真っ先に入ってきたのは光だった。そして次に目に入ったのがベンチに座っている栞の姿。
ほっ、と安堵の息を漏らす。
どうやら祐一が中庭に吐いてきた事は気が付いてないらしい。
「探したぞ栞」
突然掛けられた声に栞は肩をビクッ、と震わせた。
「祐一さん…」
「おう」
「私…今日でお別れです」
「は?」
俯きながら沈んだ声でそう言って来た栞に、祐一は奇妙な返事(返事と呼べたかどうかは別)を返した。
「私…今日で死ぬんです…そう言われたんです」
「あいつだな…あいつがそう言ったのか」
「え?」
「仮面を付けてた奴がそう言ったんだろう」
「どうしてそれを!」
栞がはっとした顔で聞き返しそして慌てて口をつぐんだ。
聞き返された祐一の方は拳を握り、目には激情の光を宿していた、
「銀髪で仮面を付けた奴が俺のところに来た。その時に栞を殺すと奴は言いやがった。心配すんな。栞は俺が死なせたりしない」
「駄目です!無理ですよ、死んじゃいますよ!あの人たちは普通じゃないんですよ」
「俺だって普通じゃないんだ」
「……確かにその通りかもしれません」
「いや、そこで納得してもらっても困るんだが」
「と、とにかく駄目です!」
何言っても駄目か。実際に見せたほうが早いな…
「俺の普通じゃない、はちょっと違うんだよ」
「自由意志=I」
祐一の額からマナクリスタルが浮かび上がり、顔前を白い線が走る。
その白い線が何本も祐一の目の前に刻まれて行き。やがてそれは仮面の形をかたどり祐一の顔に張り付く。
白い線が実体化し祐一の顔がマスカレイドで覆われた。
「仮面…」
驚きの表情で自分を見つめてくる栞に少しばかり祐一は不安を抱いた。
自分が恐がられないかと。
「言ったろ普通じゃないって」
口をぱくぱくさせながらまだ目の前の出来事に翻弄されているようだ。
「恐いか?」
「そんな事無いです。ちょっと驚いただ―あ」
「あ?」
自分の背後に視線を向けて硬直している。
祐一は疑問に思って振り返り背後へと視線を向けた。
黒いコートを羽織った二人のマスキーレンがそこに立っていた。
「やあ、殺しに来たよ栞さん」
陽気に言いながらエプシロンは栞に言葉を投げかける。
そして、さも可笑しそうにクスリ、と笑った。
「相沢君、出来れば邪魔しないで欲しいんだけどな。なんせ、三人を相手にするのは流石に疲れる」
「三人?」
背後に二つの人影が上空から降ってきた。物凄い音を立てて着地するどころかストン、と軽い音を立て着地しただけだった。
二人ともローブを身に纏っていた。先日の光景が脳裏にフラッシュバックした。
「お前ら…確か」
「よお」
久しぶりに旧友に会ったかのような軽い調子で手を上げるリヴァイアサン。
「何で…」
「ちょっと美坂栞には死んでもらっちゃ困るんでな」
祐一がにやり、と笑う。
「まあ、なんにしろ助かった…」
振り返り小声でリヴァイアサンの手に肩を置きながらに言う。
「ん?」
マナクリスタルが輝き祐一の右手に光の粒子が収束する。
結界の中なら周りを気遣う必要も無し…
マナクリスタルが再度輝き、さらに右手に光の粒子が収束する。
―もし二人のうちどちらかが生き残ってもリヴァイアサン達がカバーしてくれる…
エプシロンとユプシロンまでの距離は約五メートル弱。
―相手の力を無効化する攻撃…即ち
―広範囲による大規模破壊!
振り返るのと同時に両手を突き出し一つの、しかし強大な破壊エネルギーを解き放った。
「シャイニングレイ!」
余波が全身にぶち当たる。
視界が真っ白に染まり、膨大な光が当たり一体を埋め尽くす。
祐一は全身を押されるような感覚に陥り、さらに右手に焼けるような感覚を覚えた。
そして、爆発。
爆風によってその場に居た四人が吹き飛ばされた。しかし地面に叩きつけられ、何回も地面をバウンドする羽目にはならなかった。
地面に叩きつけられる寸前に後方より伸びてきた水が祐一の体に巻きつきそのまま引っ張られていく。
伸びた水を目で辿って行くとリヴァイアサンの手に繋がっていた。
栞はリヴァイアサンの後方に居てその横には仮面をつけた人影が目に映った。
「サンキュー、助か―」
言い終える直前にリヴァイアサンがいきなり手を振り上げた。
彼の手が上げられたと言う事は当然水の帯も振り上げられる形となり、すると祐一の体も高度を増す事になる。
そして、放り投げられるな感じで祐一はリヴァイアサンの後方に着地した、と言うか叩きつけられた。
「ぐお!」
大した高さで無かったにしろ、大した加速も付いてなかったにしろ、痛いもんは痛い。
「あの…大丈夫ですか?」
倒れたままの祐一の傍に栞がしゃがみ込み、心配そうに問いかけてきた。
「お疲れさん」
リヴァイアサンが労いの言葉を掛けてくる。
「痛たかったぞ」
「わはははは、気にすんな」
立ち上がって、リヴァイアサンの方を向いて文句を言うが全く気にした様子も無い。
これ以上何を言っても無駄と思い、目線をリヴァイアサンを通り越して数メートル先の破壊跡に注いだ。
祐一が放った破壊エネルギーは、校舎の一角を根こそぎ瓦礫の山へと変えていた。
右腕を見てみると制服の袖がぶすぶす、と音を立てて焦げている。
幸い右腕は軽い火傷だけで済んだようだった。
「しかし二発分の破壊エネルギーを一度に放つとは中々考えたな」
祐一の背後でリヴァイアサンが感心するような口調で言う。
エプシロンとユプシロンは消し飛ばした。その筈だ。五メートル弱の距離から、しかも通常の二倍の威力のシャイニングレイの直撃
を食らって無事で済む訳が無い。
「惜しかったね」
声が聞こえるのと同時に、前方の瓦礫の山が破裂した。
「何で…」
絶望的に呟く。全身を駆け巡る激痛に負け祐一はその場に膝を突いた。
祐一は予想はされてなかったいう自負があった。威力ならこの場に居る誰にも負けないとはっきりと言い切れる。
実際にそれは事実だった。
誰もが予想できなかった行動。絶大な威力。全てが申し分ない完璧な奇襲だった。
にも関わらず、二人は先程と寸分変わらぬ姿でそこに立っていた。
そして、エプシロンの横には銀色の鋭利なフォルムをした人形が立っていた。
「対マスキレーン用決戦兵器ヘルモーズ=Bこのヘルモーズ≠ヘマスカレイドの能力による攻撃を全て無効にする」
「ヘルモーズ=c。確かゲルマン神話では戦死者をヴァルハラへと運ぶ神だった筈よ」
「戦死者に成るのはあいつらだろ」
リヴァイアサンは興味なさげに吐き捨て、青ざめた鼓動(≠フ能力を発動させた。
ローブの至る所から水が染み出す。
それは意思があるが如くリヴァイアサンの両腕に絡みついた。
「セイレーン!」
その言葉は彼の隣に居るマスキーレンに向かって放たれた言葉のようだった。
セイレーンと呼ばれたマスキーレンはマナクリスタルが強く輝き能力を発動させるためにマスカレイドにイメージを送り込んだ。
そして前方を睨み付け、気が付いた。
エプシロンの姿がない。
―瞬間
突然腹部に走った衝撃によって攻撃へのプロセスは中断された。
ぐッ、と苦悶の声を漏らしながらも彼女は前方の重力を増加させ襲撃者をその場所へ縫いとめようとした。
重力が増加され地面が陥没しする。
しかし、そこには誰も居なかった。
一度攻撃に移ってしまったため次の攻撃に移るまでには少しだけ、ほんの少しだけ時間がかかる。その隙を見逃すエプシロンではなかった。
―拙い!
攻撃した事を後悔したが後の祭りとはこの事だ。
背後からさっきを感じ慌てて身をよじろうとするが間に合わない。
「させるか!」
横からセイレーンとエプシロンの間にリヴァイアサンが割り込み右腕を振りかぶった。
―ゴッ!
鈍い音が二つ同時に響き渡った。
セイレーンの背後ではリヴァイアサンが水で出来た刃を地面に思いっきり叩き付けていたままの体勢で止まっていた。その数センチ手前
では、エプシロンが地面に両手を突き刺し急停止を掛けていた。
―かわされただと!
「もらった!」
エプシロンとの距離は一メートル弱。恐らく彼にとっては一瞬で間合いに入れる距離であろう。
舌打ちしてリヴァイアサンは左手を振り上げる。
ガキィン!
水の刃に何かが激突し、リヴァイアサンの左腕がその衝撃によって振り下ろされる。
同時に刃も半円を描いて振り下ろされ、右腕と同じように左腕も地面に叩きつけられた。
刃に激突したのはユプシロンが放った銃弾タフルム≠セった。
現在は三人が一直線上に並んでいるため、下手にセイレーンとリヴァイアサンを撃ったりは出来ない。何故なら、タフルム≠フ貫通力
を持ってすば人間三人の体を貫く事など分けないからである。
―や、やばい!
「喰らえぇぇぇぇぇぇ」
祐一はエプシロンの背中目掛けて右手を突き出し、エプシロンの背中目掛けてシャイニングレイを放とうとした。
―と横から伸びてきた手によって手首を掴まれた。いつの間に近づいてきたのか手の主はヘルモーズ≠セった。
ヘルモーズ≠ヘそのまま右手を自分の方に引き寄せ、その勢いを利用して祐一の腹に膝蹴りを叩き込んだ。
体がくの字に折れ曲がる。
しかしヘルモーズ≠フ攻撃は止まらない。
強烈なアッパーカットで祐一の顎を跳ね上げる。
そして、喉を掴みヘルモーズ£オねた。空中で喉を掴んだままの腕を振り上げ地面に向かって思いっきり祐一を投げ付けた。地面に叩きつけられた祐一は堪らず呻き声を上げる。
さらにその直後にヘルモーズ≠ヘ祐一の喉元目掛けて手刀を繰り出した。
舌打ちして顔の横に手を付き後転の要領で体を一回転させ後方に跳ぶ。一瞬前まで祐一の頭が有った空間を無機質な光沢を放つ腕が通過するのと同時に地面に突き刺さった。
「シャイニングレイ!」
光の粒子が右手に集い着地する直前に破壊エネルギーを生み出す。
祐一の右手より迸った破壊エネルギーが光球と化しヘルモーズ≠ノ一直線に進んでいく。ヘルモーズ≠ェ右手を掲げた。
ヒュッ
風を切る音と共にヘルモーズ≠フ右手が振り下ろされ光球と激突する。
ヘルモーズ≠フ右手が光球に触れると、まるで最初からそこに無かったかのように光球が消え去った。
「もう一丁!」
さらに光球を放つが結果は同じだった。
「まだまだ喰らえぇぇ!」
今度は両手から光球が放たれた。
ヘルモーズ≠フ右手が宙を横一文字に薙ぎ払い二つの光球を同時に霧散させた。
シャイニングレイを乱発しながらも祐一は息一つ乱していない。
北川…お前の言葉の意味やっと解ったぜ!
『自分の能力で出来る事をやれば勝てる』
北川の言った言葉は今の状況にぴったりと当てはまっていた。
最初の奇襲で祐一は二発分の破壊エネルギーを一度に生み出した。ならばその逆も、つまりは一回分の破壊エネルギーを数回に分けて放つ事も出来るのではないかと。
祐一の予想は見事に当たっていた。
そして祐一は気が付いた。先程からヘルモーズ≠ヘ全ての攻撃を右手で掻き消している。
―間違いねえ。奴は右手で、しかも手の平でしか掻き消せない!
「グオォォォォォォォォォォォォ」
ヘルモーズ≠ェ咆哮し恐るべき速度で突進してきた。
突然の事で祐一は反応できずにヘルモーズ≠ノ首を掴まれてしまう。
しかし、ヘルモーズ≠ヘ止まらない。祐一を掴み上げた校舎の窓に向かって投てきした。
カシャンッ!
窓ガラスを突き破ってもさらに勢いは止まらず、さらに教室のドアが祐一の体に激突した。
加速も十分だったためかなり痛みが全身に広がる。
―くそ!なんか今日は無駄に叩き付けられてんなぁ!
追い討ちを避けるべく立ち上がろうとして上体を起こした祐一の目に一つの物体が映った。
ヘルモーズ≠ェ祐一の突き破った窓ガラスから校内に侵入してきた。飛来した物体は祐一の首を掴み高々と祐一を掴み上げた。
にやり、と祐一は仮面の下で笑った。
「待ってたぜ!これを!」
祐一が嬉々として叫ぶと、マナクリスタルが光り光の粒子が右手に収束する。
破壊エネルギーの塊が右手に生み出された。
「シャイニングレェェェェェェイ!」
「ガアァァァァァァァァ!」
咆哮が同時に校内に響く。
右手を振りかぶり横薙ぎに腕を振るう。
―ガッ!
祐一の手の平の破壊エネルギーがヘルモーズ≠フ左の手の平に衝突した。
破壊エネルギーが虚しく霧散し祐一の攻撃は失敗かと思われた。しかし、祐一の攻撃はまだ終わっていなかった。
「両手を使えるのはこっちも同じだ!」
左手には既に破壊エネルギーが生み出されてあった。
ヘルモーズ≠フ右手首を掴み破壊エネルギーを叩き込んだ。
バン!
と云う音と共に祐一の左の手の平で小規模な爆発が起こりヘルモーズ≠フ手首から先が消し飛んだ。
拘束が解かれ祐一の体が重力に従って地面に着地した。祐一の左手の平には未だに破壊エネルギーが渦巻いている。
「ガアアアアアアアアアアアアアアア!」
雄叫びと共にヘルモーズ≠ェ左手を祐一の左手目掛けて突き出して来る。
祐一の左手の破壊エネルギーが消えた。いや、祐一が自ら消したのだ。
光の粒子が祐一の右手に集う。何時もならここで破壊エネルギーをヘルモーズ≠ノ向かって放っていただろう。
右手の平に収束した光の粒子は剣の形をかたどり、祐一の手に握られ爛々と輝いていた。
「シャインU(!シャイニングファング!」
右手の平に収束した光の粒子は剣の形をかたどり、祐一の手に握られ爛々と輝いていた。
光剣が光の軌跡を残し踊る。
上から下へと軌跡が走りヘルモーズ≠フ左腕をいとも簡単に切り飛ばす。次の軌跡はヘルモーズ≠フ体を上から下へと抜けていき、抵抗も何も感じずに銀色のボディを真っ二つに両断した。
―カッ!
視界が真っ白に染まりヘルモーズ≠フ体が斬撃が終わるのとはぼ同時に爆発した。
祐一の手にはもう光剣は握られていなかった。
「つまり、俺は自由意志(≠フ能力を勘違いしてたって事か」
そこで床に座り込み大きく息を吐く。
「俺の、マスカレイドの能力は自分の体力を破壊エネルギーに変換するだけだったんだよな。それを、俺は勘違いして飛び道具としてし
か使えないと思い込んでたんだ。剣の形にすればその形を維持する事も出来るし、剣を体力に変換する事も出来る。本当に俺って頭固いよなあ。全く、自分の馬鹿さ加減に泣きたくなってくる」
そこではっとリヴァイアサン達が外で闘っている事を思い出し、教室の外へ出ようと立ち上がり顔を上げた。
「―なっ!」
祐一は声を上げて驚愕した。
素早く立ち上がり廊下へ出ると一気に周囲の温度が下がった。
窓から外を覗くとそこは祐一が驚くには十分な世界だった。
「おいおい、これは一体どう言う事だ」
窓の外は辺り一面の雪景色だった。
あとがき
祐「おう、何かやっと主人公っぽい活躍」
メ「君の栄光はここまでです」
祐「何っ!ちょっと待て早すぎるぞ!」
メ「嘘になればいいなぁ、と心から思っています」
祐「待て待て待て!」
メ「ウフフフフ」
祐「あぁぁぁ(泣)」
メ「ウフフフフ」
祐「冗談はさておき次回予告行きまっせ」
メ「あ、待って下さいその前に訂正を」
メ「第三話ではエプシロンのマスカレイド名がグレンツルーフと成っていましたが、すいません本当はルーフグレンツです。」
祐「さて!今度こそ次回予告。時間は俺がにっくき機械人形を倒す前まで遡る」
メ「激突する4人のマスキーレン。しかし、エプシロンの異常な速さによって翻弄されるリヴァイアサンとセイレーン」
祐「そして木霊する栞の絶叫は少女をマスキーレンへと覚醒させる」
祐「次回、仮面戦記KANON第七話「暴風雪 雪は吹き荒れる」
メ「次からはマスカレイド名を間違えないようにがんばります」
祐「是非そうしてくれ」