魔法戦国群☆伝・番外篇
戦う乙女の心意気!?





志:志保ちゃん!
栞:しおりんの!
志&栞:ガッデム・イン・ナイトメアぁ!
八岐:なんだ、その意味不明な名称は?
志:とりあえず言ってみただけよん(
八:ああ、さいですか

栞:ところで今日は何をやるんですか?
八:うむ、タイトルを見るが良い
志:えっと? 戦う乙女の心意気? 何よ、これ
栞:こっちも意味不明ですね
八:最近…というわけでもないんだが、群☆伝のキャラで誰が一番強いんだ?
  とか、誰が誰より強いんだ? という質問を受ける事が多々あるのでね
  一度、考察しようと思った訳だ
志:ほー、本編の方が進まないからじゃないのね
八:本編終わっちゃった後にやっても仕方無いでしょう
栞:それはご尤もかもしれませんけど、何でアシスタントが私たち二人なんですか?
八:分かってて聞いてる?
志:アタシたちがさっぱりこっきり戦闘面とは関係無いから
八:正解

  ゲシゲシ




『 戦いとは此れ如何に? 』




八:まず最初に語るのは戦闘は戦闘でも個人の能力により敵と戦う戦闘だ
志:いわゆるガチンコね
栞:タイマンともいいます
八:待て待て。多対一という形式もあるので一概には言えないぞ
栞:あ、確かにそうですね
八:まあ、そこらへんは後に回すとして、まずは強さの基準とは何なのかを語ろう
志:あんたって、そう言えば強さについては
  明確な基準はつけらんないって前から言ってなかった?
八:その通り。強さなんてものは相対的で流動的なものだ。
  自分の体調、周りの気候・環境、戦闘時の状況、相手との相性、運不運。
  勝負は時の運と言うが、まさにその通り。それはこのSS内でも同様だ
栞:それってやってみるまで分からないって事ですよね?
  …じゃあ、今やってるこれってまったくの無意味じゃないですか!?
八:そんな事無いよ。あくまでこれは考察なんだから。
志:色々アタシたちが喋ることで、読んでくれる人たちに
  疑問に対する方向性を示すってこと?
八:……いや、そんな大層な事ではないんだけど(汗)
志:ぶっちゃけた話、単に書きたかったんだ
八:その通り!
栞:威張ることじゃないですね




―― 最強の名は此処にあり!? ――
  ―― グッドラック戦闘妖精・琴音 ――



八:さて、強さの基準をつけられないとは言ったものの、ある程度のベースというものはあります
志:ほう、そういえば一番強いのは誰って聞かれてウチの琴音ちゃんが最強って答えてたわよね
  それも基盤の一つ?
八:ま、そういう事かな。
  あまり現実的じゃないんだけど、ゲームみたいに強さを数値化してみた場合を考えてみよう
  あ、秋子さんは除外だぞ。あれは別次元だからな
栞:∞って事ですか?
八:うん
志:無茶苦茶ね。なんか根拠でもあるの?
  秋子さんだからって論法は納得できないわよ
八:詳しくは人物紹介完全版か、用語解説完全版に載せるつもりだから
  詳しくは言わないけど、ある種の超越者なのは確かだね
栞:ここでは触れないんですか
八:規格外ってことで
  さて、その秋子さんを除いた面々を並べてみると純粋に戦闘能力だけに焦点を当てた場合
  やっぱり最強はどうしても【クレイジー・フェアリー】姫川琴音嬢という事になる
志:それって、芹香さんが施した封印が全部解けた状態での事よね
八:そう。封印を一つ外しただけでも彼女の力は桁外れだ
  既にその状態で天野美汐を圧倒していたしね
栞:符法院最強の人型式神七体を擁してようやく渡り合ってたぐらいですしね
八:封印をすべて外した琴音嬢は、半ば肉体すら変容している
  それがアルピノとなって現れているわけだ。この状態の彼女は凄いぞ
  人間種の中では過去に遡り未来を下ったとしても彼女を上回る者はいないだろうな
  この状態の彼女と真正面から渡り合えるのは、魔界でも二強しかいないだろう
志:魔界二強って?
八:【無死者】【真理の吸血姫】ルミラ・ディ・デュラルと【界龍】敖舜だな
栞:え? ちょっと待って下さい。本編のラスボスさんの名前が入ってないんですけど
志:おー、ガディム!
八:うむ、分かってますよ。簡単な話です
  この状態の琴音嬢なら、ガディム完全版とやりあっても恐らく圧倒できるでしょう
志:コラコラコラコラ!! 作中のパワーバランスが無茶苦茶じゃないのーッ!!
栞:ほ、ほんとですよ
  それなら他の人たちが力をあわせてガディムを倒しても、なんかお間抜けですよ
八:ところがそうでも無い。恐らく、実際ガディムとやりあったら琴音嬢はまず負けるな
栞:え? なんでですか? ガディムより強いんでしょ?
八:強い。だが、勝てない。これが彼女の致命的な弱点だな
  実は最終封印を解いた状態では、琴音嬢は約5分しか意識を保てないのだ
  5分程度なら、ガディムほどの力があればゆうに凌ぎきれる。時間が過ぎればアウトだ
志:じ、時間制限つきかぁー。そりゃキツいわね
八:それにだ。マトモに力に力で立ち向かわなければ戦い様は幾つかある
  彼女の能力は、知覚認識できない事には相手の肉体に作用しない
  彼女が知覚できないほどの高速で戦闘機動を実行できる
  柏木楓などのスピードファイターには苦戦必死だろう
  少なくとも運動力・慣性力のキャンセルや他者の神経支配ほどの
  高度な干渉能力は北川や綾香レベルのスピードでも発揮できないだろうね
  無論、其れに対してまったくの無力という事も無い。
  対抗策というものはどんな力に対してもあるものだからな
  他にも無想剣などの相手の認識を違えさせる特殊な機動を使える
  相沢祐一や上泉伊世なんかの相手もキツイだろうね
  あれは魔術的な幻術とは一線を隠した技だし
  それから、川澄舞の超能力も琴音嬢の力に抗し得る力を秘めている
  5分程度なら、捌ききれるだろうね
  だが、魔術を使う相手に対しては無敵と言っていいだろう
  少なくとも彼女に魔力の攻撃が通用するとは考えられない
  魔力による力押しで覚醒琴音を倒そうというのなら、大陸一個沈める力が必要だろうね
  加えて、対物理防御もほぼ完璧だ
  大筒の砲弾くらいの衝撃力なら簡単に弾くだけの強度を持ち合わせている
  最高位魔法武具『メモリーズ』『絶』『エクストリーム』『白鷹斬魔』『神薙』
  このレベルともなると鋼鉄や対物理障壁なんて紙みたいなものなんだが、
  覚醒琴音の物理防御はこれを留めうる力を持っている
  尤も、完璧に防げるとは言わないけどね。精々ハンマーに対するレンガ壁ぐらいか
栞:あのー、それって(汗)
八:うん、一撃喰らったらぶっ壊れるぐらいだね
志:それってあんまり意味ないんじゃない?
八:そんな事はないだろう。一度でも敵の攻撃をキャンセルできる力は非常に有効だぞ
  それに余程の高位魔法武具か、気勢の乗った攻撃で無いと突破できないんだから
  その事を考えると非常にアドバンテージは高い
  だが、それを考慮に入れてなお、接近戦は苦手と考えた方がいいだろうな
  姫川琴音は体術に関しては決して一流とは云えないんだから
栞:じゃあ、結論を言いますと?
八:姫川琴音は間違いなく最強の力を持っている
  だが、それは無敵と同意義ではなく、弱点は幾らでもある
  本編80話での対十魔将戦で彼女があれほど圧倒的勝利を得た理由は、
  彼女の能力の本質と制限時間有りという弱点を魔将たちが知らなかった点がかなり大きい
  手の内を敵に見せないというのが彼女にとっての大事なカギだ
  知られてしまうと、対策を立てられてしまい、彼女の強さには綻びが出てくる
  それが彼女の最強の脆さの所以だな






―― 例え影は薄くとも、主人公は最強なれば ――
  ―― Battle Master 相沢祐一 ――



栞:という訳で、次は祐一さんです
志:もはや誰にも主人公だとは思われてないザ・不遇ことマイナー魔法剣士君ね
八:…言い訳するみたいだけど、我ながら此処まで可哀想な立場にするつもりは全く無かったぞ
栞:嘘ですね
志:だいたいアンタ、初期の後書きで散々今の状態になりそうなこと仄めかしてたじゃない
栞:どうせ、今になってあんまりにも憐れな状態に成り果ててしまった事に
  ビビって言い訳してるんでしょう
八:栞ちゃん、アンタのその言い方も大概だと思うのだが
栞:しょせん、私もマイナーキャラですから、何言ったってどうだっていいんですよー
志:あらまあ、捨て鉢になっちゃってるわよ
  まあ、アタシだって幸薄いしねー。グレたくもなるわよ
八:愚痴の吐き捨て場になりかけてるな
  話戻すぞ。ここでも忘れ去られたらあまりに祐一君が可哀想だ
志:全部アンタが悪いんでしょうが
栞:その通りです。まあ、ここは祐一さんに免じて追求は脇に置いてあげましょう
八:ありがとうごぜーます。それでその祐一さんの話でやんすが
栞:どうなんです?
八:恐らく総合力では一番でしょうな
志:そーごーりょくってまた、分かったようで全然分かんない言葉よね
八:うぬぬぬ、そ、そんなこと…ないぞー
  ちゃんと分かったような気になる説明をしてやるわい
栞:微妙にイカサマっぽい発言ですね
志:分かったような気になるかも怪しいけどね
八:(先に進まないので無視)まず、祐一なる人物はある意味姫川琴音とは実に対照的だ
志:対照的…ねえ
八:先ほど琴音嬢に関して弱点が多々あると言ったが、
  逆にこの祐一には殆んど弱点らしきものは見当たらなかったりする
栞:甘い物が苦手ですよ、祐一さん
八:…それは弱点じゃないでしょう
  別の言い方をすれば、隙が見当たらない
  剣に関しては師匠の上泉伊世を除いたらマトモにヤりあえるのは川澄舞ぐらい
  しかも、こいつは剣だけじゃなくて大概の武器なら、それこそ長年修練を重ねたのと同じぐらいに自在に操れるという才能を持つ
  素手の体術――打撃・組技・投げ技・殺傷技に関してだって、来栖川綾香とだって張り合えるだろう
  ちなみに綾香は素手で舞と互角にやりあってるレベルだ
志:うーん、でもこれだけ見ても、綾香や川澄と結局互角レベルだし、
  伊世先生相手じゃ負けてるじゃない
八:同じ武器で戦えば互角…という事だよ。
  勿論、違う武器を使ったから強い弱いというつもりはないぞ
  あっしが言いたいのは、選択肢の幅広さだ
栞:選択肢…ですか?
八:そうよ。例えば上泉師だと刀、舞だと剣、綾香だと素手
  これ以外となるとどうしても技量は落ちてしまう
  比べて、祐一はどんな武器だって同じ最高のレベルで扱える……これは意外と大きいぞ
志:……そう? 結局強さのレベルが変わんないんだから、一緒に見えるわよ
八:最初に言っただろ?   強さなんてものは相対的で流動的なものだ
  自分の体調、周りの気候・環境、戦闘時の状況、相手との相性、運不運。ってね
  祐一のアドバンテージはこの流動的な戦闘状況に対処するのに、
  多数の選択肢を持ち合わせているという事だ
  他の面々があくまで自分の持つ武器の範囲内でしか、
  戦闘を広げられないのに対して、祐一が選べる選択肢はあまりに多い
  他の人が戦闘の中で様々な制約を受け、本来の強さを減退させるのに対し、
  常に百パーセントに近い力を発揮できる祐一の優位は明らかだ
  そして、彼の才能はその刹那刹那の最善の戦闘態勢を感覚的に認識でき、
  それを瞬間的に体現できる事だ。まさに戦いの申し子と言ってもいい
  オマケに祐一は、魔術すら使う
  それも倉田佐祐理や久瀬俊平レベル…もしくはそれ以上の超一流レベルのだ
  魔術師としてだけでも大陸有数の力を持つんだぞ?
  戦闘における相沢祐一という男の自在性はまさに無限に近い
栞:ひぇぇ、祐一さんって物凄いじゃないですかぁ
  全然知らなかったですぅ
八:知らなくて当たり前だ
  少なくとも私はさっぱり祐一の強さを書き切れていない自信がある
志:…おい
八:それはさておきだ。こういう万能型の人間というのは、
  実際は器用貧乏なだけで結局役に立たない事も多い
  それぞれの専門的な能力者に対して劣ってしまうために、
  帯に短したすきに長しになってしまうわけだな
栞:うーん、つまり旧日本海軍が欲張ってあらゆる機能を詰め込んだ挙句に
  さっぱり訳に立たなかった貧乏性的汎用艦艇群みたいなものですね
志:…栞ちゃん、それって凄く分かり難い用例だと思うわよ
八:そうだ。技術も国力も時間も足りないのに、要求だけはごうつくばりで結局ポシャってしまった数々の軍用機のようなものだ
志:あんたもかい
八:(無視)だが祐一は違う
  こいつはあらゆる方向に超一流の仕様を要求されて、
  それを達成してしまったようなスーパートンデモ兵器のようなヤツだ
  果たしてそんなご都合的な兵器が存在したかどうかは知らないがな
志:なによ、そのトンデモ兵器って
栞:時速870キロで飛べるクセに九六艦戦並の格闘能力で
  装甲はシュトルモビク倍増し、急降下も楽勝で、全方向への旋回が小回り可能
  視界も良好、エンジンも素直で、レーダー・脱出装置完備済み
  弾丸も好き放題撃てるだけ装備して、オマケに八十番まで装備できる
  万能戦闘機みたいなものですよね
志:だから訳分かんないって
八:おお、そうやって実例をあげてくれると如何に祐一が凄いというのが身に染みて分かるなあ
志:だから、分かんない人を置いてけぼりにしないでよ
八:むう、すまん
栞:えぅ、ごめんなさい
志:いや、謝られても
八:兎も角だ、祐一のこの万能能力は魔剣『メモリーズ』により完全に発揮できる
  いや、そもそもこのあらゆる武器形態に可変できる魔剣を持ったが故に
  開花した才能というべきかもしらん
  そして、この剣を手に入れたが故に開花した才能というものがもう一つある
栞:それが魔導剣と呼ばれる魔法剣ですね、って一文字違うだけじゃないですか
八:いうな。特に小賢しいとかいうな
志:言っちゃえー
八:(無視)この魔導剣というのは厄介だ。どう厄介かと言うと……
  わざわざ剣に魔術を付与せずに直接放っちゃった方が早いじゃないかというぐらいに厄介だ
志:コラコラコラコラ
八:無論理由はある
  武器に付与する事で効果を変容させたり、威力を強化させる事が可能だから
  魔術を直接放つより汎用性が高い
  また、通常魔術を使う場合、印などの手振り身振りが必要な場合が多いのだが、
  武器を持ってるとなかなか印を組めないだろ?
栞:武器を手放さないといけないですね
八:まあ、離さなくても剣先で法陣を描いたりも出来るんだが…
  とりあえず、複雑且つ強力な術ほど手間隙がかかると思って欲しい
  そして魔導剣士というのは、基本的に剣という媒体に魔力を集約する事で
  唱えた術の威力を強化する事が出来る者たちと考えてくれ
志:あー、つまり複雑な術を唱えなくても強力な威力を発揮できるってことね
  加えて、武器も持ってるから接近戦に持ち込まれても対処できると
八:こうやって書くと、あんまり大した事無いような気がするなあ、魔導剣士って
栞:あなたが言ってどうするんですか! それは私たちの役目ですよーッ
八:ああ、ごめん(そうなのか?)
  だがだが、祐一の立場に立ってみるとこの魔導剣使い手というファクターは非常に重要だ
志:なんでよ?
八:彼に戦闘時における更なる選択肢を与えるという事だからだ
  彼の天才性に先ほど、戦闘時の最適行動判断&実行能力というものをあげたが
  もう一つ、魔力の制御バランス能力というものがある
栞:制御バランスですか? 制御だけなら何となく分かるんですが
八:バランスは調整能力と言い換えてもいいぞ
  魔導剣の使い手が歴史上に数えるほどしかいないのは、その難易度にある
  さっき簡単に魔力を集約して威力を強化するなんて言ったが、これは並の術師じゃまず無理なんだ
志:なんでよ?
八:魔力を集約するという事は、任意地点に過度の魔力が不自然に集中するという事だから、
  非常に暴走・暴発する可能性が高いんだ
  歴代の魔導剣士もこれがネックとなって大量の魔力を必要とするような高位レベルの魔術は使えなかった
  だが、祐一は違う
栞:なるほど。祐一さんは制御能力が桁違いだから幾らでも強力な術を使えるという事ですね
八:正解。加えて、彼の制御バランス能力は、高位魔術の複雑な手順をキャンセルできるという要素を持つ
志:あ、そっか
栞:え? 何がそうかなんですか?
志:魔術とは、魔の韻律を奏でる事で魔道法則に干渉し、事象を引き起こすわけ
  実は、魔術ってのは発現させるだけなら、呪文を唱えるだけで出来るのよ
栞:ええ? じゃあ、身振り手振りで印を組んだりとか、魔法陣とかは?
志:魔法陣なんかは召喚対象や事象をあたしたちの世界に導くための道標を刻むような意味を持つわけ
  刀印なんかは具現する事象を制御しやすいように安定させる手綱のようなモノよ
  普通は刀印なんかで術式を安定させないと、高位の術になるほど術式が不安定になって暴走しやすくなっちゃう
  そして思い出して見なさいよ、符術師が符を使って術を起動する時、印とか大袈裟な身振りしないでしょ?
  そりゃ、物凄い術とか使う時は一概には言えないけど
栞:ああ、そう言えば!!
  以前、符術師は呪符に術式を込めているから簡単な呪だけで起動できるって
  言ってましたけど、既に起動する時に呪符の効果で術式が安定しているから、刀印なんかは必要無いんですね?
八:またもや正解。そして、祐一とは刀印などを必要とせず、
  感覚だけでどれほど高位の術式をも安定させる事が出来るわけだ
  しかも、そこからさらに不安定になる魔導剣という技を介しても、その制御バランス感覚は揺るぎもしない
  とにかく、動作を必要とせずにどんな魔術でも使える訳だから、敵と切り結んでる途中でも魔術を編める
栞:それが凄いって事は私でも分かりますよ
八:そう、美坂栞にも分かる
栞:………むか
志:でも、何でこの能力が『メモリーズ』によって
  開花させたって言うの?
八:『メモリーズ』には魔力吸収能力があるんだ
  加えて、吸収した魔力をある程度蓄積できる
  まさに魔導剣を使うために誂えたような武器だ
栞:…誂えたんでしょ?
志:…………
八:…………(冷汗)
栞:……あ、あははは……ごめんなさい
八:(スルー)ともあれ、この武器を手にしていなかったら、祐一の
  この二つの天才的な能力は芽を吹かなかったかもしれない
  これは月宮あゆに感謝するべきだろうな
  そして彼のもう一つの強さの要素。それが間合の支配だ
志:作中で伊世さんが言ってわね。概念的空間支配…だったっけ
八:どうやって説明したらいいか、正直分かんないんだけどね
  物理的な空間ではなく、戦闘中に相対する単体の敵、もしくは複数の敵と共有する空間認識を自分の支配下に置く
  それが深陰流の最奥義とも言える領域だ……分かる?
栞:さっぱりです
八:敵の動作・思考・本能を読み取り、ある程度此方の制御下に置く……うーん、ちょっと違うような
  兎も角、その一つの極致が『夢想剣』と呼ばれる技だ
  だが、あくまで一つの方向での極致だぞ。また別の方向があると思ってくれても構わない
  それが何なのかは僕も良く分からんがね
志:無責任ね
八:そう言ってくれるな。僕は正直、格闘・剣戟関係についてはさっぱりだからな
  だったら勉強すればいい、と言われるとゴメンなさいと謝るしかないんだが
栞:まあ、それは一先ず置きましょう
  そして、結論すると祐一さんは三つの要素を持ち合わせているわけですね
志:これまた作中で伊世さんが言ってた言葉
  ――剣・即ち物質を統べる者
  ――魔・即ち魔の理を統べる者
  ――そして間・即ち概念的空間を統べる者
  魔剣(エビル・セイバー)――その異名の由来と言う訳ね
八:表面的な力の最強を述べるならば、それは間違いなく琴音ちゃんだ
  だが、実際戦うとなった場合に実質的に誰が最強か…これで分かった気になってもらえたかもしれない
志:……あくまでそこはかとなく弱気ね
栞:それにしても祐一さん………
八:なによ?
栞:いえ、これだけ強いのに作中ではさっぱりその強さが表現されてなくて可哀想だな、と思いまして
八:…ぐはっ
栞:書いてる作者に書ききる力量が無くて哀れだな、と思いまして
八:…ぐほっ
栞:お陰でいつの間にか影まで薄くなって涙をそそるな、と思いまして
八:…ゲハッ
志:…いつか刺されるわね







  あとがき


八:とまあ、今回はガラスの最強:姫川琴音と真/影の最強:相沢祐一について書いてみました
栞:他の人について書く予定はあるんですかぁ?
志:書くネタがあるかが怪しいから『無い』に一票!
八:長岡、お前な……
栞:まあ、期待せずに待ちましょう。最も、こんな面倒なもの喜んでくれる人がいるか分かりませんけど
八:つまりは私の自己満足だからなあ
志:まあ、そっちについても期待しないで、って事よ。じゃ、また会う機会でもあったら会いましょう
八:今回はこの辺で。さようなら〜
栞:ここまで読んでくれた奇特な方々にお礼を言いつつ、さようなら〜

志:ところで題名の『戦う乙女の心意気!?』って何アレ?
栞:わ、私に聞かれても〜
八:………コソコソ
志:あ、逃げたぁ!
栞:多分、さっぱり意味なかったんですね
  しかも内容は半分祐一さんだから、全然乙女じゃないですし……はぁ






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